TX650 ライナー入れ替え 2

前回はライナーのつば加工までいきましたのでライナーを入れる前にシリンダーの下面を研磨しておきます。
ライナーが入っていると研磨できませんからね。

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上面の歪ほどではありませんが、下面も何十年とボルトで締め付けられたうえに熱による膨張、収縮により歪がでてきます。
ライナー入れ替え時にはやっておきたいメニューです。

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下面の研磨が終わったらライナーを圧入します。
元々入っていたライナーは締め代があまかったため、0.07mmほど締め代がつくようにバレルをボーリングしてあります。
一日じっくりと歪ませてからボーリング作業です。あわくってボーリングするとせっかくの芯円が崩れますからね~。
慌てず、確実にやる事が近道です。

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そうそうライナー入れ替えたらこんな感じでつばが飛び出ているので上面研磨は必ず必要になります。
抜いて入れてボーリング。と簡単に考えている方が多いようですが、いろいろとやる事は多いですよ。手間を省けば単純に短命なエンジンになりますから。

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今回使用するピストンです。
縦方向に表面処理がされています。

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じっくり歪ませてからシリンダー下面を基準にボーリング。
すでに上面は最小研磨済みです。

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ホーニング仕上げ中。
真夏や真冬に比べてこの時期は温度管理が楽なので非常にやりやすいです。
気温が2℃かわればシリンダーゲージも動きますからね。

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完成です。
指定クリアランス0.05mmで仕上げてあります。

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パンチの効いたツインって感じでしょうか?

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車両の完成が楽しみです。おやっさんパリッと仕上げましたよ!

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