メッキシリンダー ホーニング

台風の影響で工場にいくか悩みましたが、雨、風、ともに大したことがなかったので昼前には作業開始致しました。
先日、市内の業者様から依頼されました、ホーニングのみの加工です。
普通の鉄シリンダーなら問題ないのですが、今回は、メッキシリンダーです。
メッキシリンダーは、通常、オーバーサイズのボーリング加工、ホーニング加工はできません。シリンダー交換になってしまいます。
再メッキボーリング加工も可能ですが、日本でも数件のボーリング屋さんでしかやっていなく、値段もそれなりにしますので、なかなか現実的な値段になるのは、まだまだ先になりそうです。
かといって、シリンダーにキズが入ったら交換となると、それも困ったもので、ホーニングでとりきれるなら金額的に安く済むのでそちらのほうがいいですよね。
とゆうか、今回のシリンダーは、メーカーさん指定のクリアランスで加工されたのに抱きつき直前の状態で当社に持ち込まれてきたんですが、これってほんとは、メーカーさんが対応するべき事だと思うんですが。
脱線しそうなのでこのへんで加工にもどります。
画像は、加工後になります。

DSC00454

加工前のシリンダー。
トップからアンダーまでびっしり縦キズ。

DSC00444

ピストンリングトップの上までキズがあります。
完全にクリアランス不足。
ホーニング目が残っているアンダー部分で計測すると、クリアランスは0.05mm。メーカー指定は、0.02mm。
クリアランス過大の可能性も考えましたが、それなら、ピストントップ部にまんべんなくキズが付くのは矛盾していると思います。

DSC00447

いろいろと、調べてみてメッキ厚は0.07mm前後と思われ、そこからホーニングで0.03mmとったら、現状残っているメッキ厚は、0.04mm。今回縦キズを消すために最低でも0.02mm必要で、残りが0.02mmのメッキ厚になるため、なんとかなりそうです。

DSC00449

加工後。無事、0.02mmでとりきれました。

DSC00450

キレイなクロスハッチです。クロスハッチが消えたメッキスリーブを考えたらゾッとしましたので、粗めで仕上げてあります。

DSC00452

シリンダーの状態。ピカピカ光りメッキが残っているのがわかります。
あとは、様子見ということで納品させて頂きました。
ありがとうございました。

DSC00456