try&error

暑いです。
仕事が山のようにたまっております。業者様からの依頼がほとんどなので、納期がカツカツで御座います。
当初は、個人のお客様メインの予定でしたが、現在ほとんどの加工依頼が業者様のため、日々、時間におわれております。
個人のお客様も気軽にお問い合わせください。

作業にうつります。スロットル内径拡大の下準備です。バタフライを外そうとするが、ボルトが外れず、
ザグってとってみると。

DSC00210

ボルトがつぶれているのわかりますか?
私がやったのではなく、メーカーが意図的にやっています。
回りとめというより、ボルトの隙間からはいる微量の空気の流出を防ぐためだと思われます。
メーカーのモノ作りは違いますね。

DSC00213

スロットルを旋盤にてボーリングするためジグを製作しようとフライスの電源をいれたのですが、
どこか漏電していてブレーカーが落ちてしまい仕事にならずイライラ。
電気工事屋に電話すると、それは機械修理屋の仕事だと断られ、機械修理屋に電話すると、電気屋に頼めと、
言われるしまつ。結局、自分で不具合箇所を探しにかかります。

DSC00214

テスターで導きました。
モーターがイッたと内心ビクビクしていましたが、どうやら切削油のポンプの取りだし口が怪しい。

DSC00215

キリコがアースがわりになり、ショートしていました。
半日かかりで、フライスに這いつくばり油まみれになり散々です。
でも、モーターじゃなくてよかった。

DSC00217

無事、ジグれました。

DSC00219

そして、W1の最終仕上げ、ホーニングです。
完全養生で挑みます。

DSC00228

この状態でのホーニングも初めてです。
しかも、フルフローのため、寸法がシビアです。
シリンダーゲージにて、何度も寸法確認しながらクリアランス0・01mmから0.02mmを狙います。

DSC00229

いい感じに油たまりもできました。
リーマ加工のみだと、表面が荒いため初期摩耗が激しく、ピストンピンとのクリアランスが広がり、
がばがばになってしまいます。また油膜を保持しずらいため、焼きつきに繋がります。

DSC00231

無事完成。
指先にほんの少し力を加えるだけでスルスルと動きます。
ガタもなく、渋くもなく、寸法も大事ですが、最終的に手の感覚で確認します。
ここも経験が命です。

DSC00233

Uクランクの植澤さんが引き取りにきました。
今回、初の試みで加工したのですが、やはり、精度に問題あり。
加工していく中、いろいろとあるんですよ。
言い訳をするつもりはまったくないのですが、手と、機械では、加工レベルが違います。
条件も厳しかったのもありますが、できません。と、言うのは簡単です。
やってみなければわからないのが、モノ作りです。
今回は、植澤さんのところでばらし、後日、コンロッド単体で送って頂けるようです。

DSC00235

リベンジいきますよ。
もちろん機械つかって、精度出します。
植澤さん、ブッシュはいったまま送って下さい。自分が抜きます。

DSC00234

作業報告

W1のフルフロー加工の続きです。
製作したブッシュを圧入します。プレス機で圧入ができませんのでジグにてゆっくりと入れていきます。
このとき曲がって圧入するとすべてやり直しになるため慎重に作業していきます。

DSC00192

無事に圧入できました。
入れたてのブッシュがキレイです。
締め代も指示通りの寸法で圧入したのでこれでクルクルと回ることはないでしょう。
このヘンは経験が必要です。
このあと、油穴を二か所あけ、圧入して歪んだ小端部をリーマで芯円に加工しました。
仕上げのホーニング代分を0.05mmのこしてリーマ仕上げです。

DSC00193

こちらもUクランクさんにたのまれたモノです。
試作のため何に使うかは秘密です。
テーパーの角度がこれまたきつく、刃物台を目いっぱい回しても45°が限界の汎用旋盤を、あーやってこーして何とか加工できました。できるまでに2時間ほど格闘し、最後に突っ切りで切り落とすのですが、突っ切りでいい思い出がなく、なんかいやな感じがしていたのですが。

DSC00202

やっぱりね。
こうきました。
しかし、ワークにキズは付かず、なんとか、別の突っ切りで切り落とせました。
もうね、何十本もへしおっているんでわかるんですよ。ハンドルにつたわる抵抗で。なので右足はつねに、ブレーキの上で待機させています。

DSC00208

バイト研いでたら砥石はずれたりと、作業の邪魔が入りますが。

DSC00203

なんとか、完成しました。
A2017材です。ジュラルミンですね。
キレイです。

DSC00204

このテーパーすごいでしょ?
この厚さにたいしてこのテーパーはなかなかですよ。
もちろん生ツメも加工して切削しました。

DSC00205

W1の仕上げホーニングですが、ピストンピンにちょうど合うのがなく、注文しました。
Uクランクさんもう少しお待ちください。

DSC00207

デボネア スムージング

週末恒例の板金作業です。
もちろんT君も参戦して、二人でひたすら盛っては研ぎの地道な作業になります。
現在ボディの進行状況は着々とゴールに向かっております。

DSC00196

前回の塗装の下地処理が悪く苦戦しながらも前に進んでおります。

DSC00197

キレイです。

DSC00198

来週は、サフェを吹く予定で進めていきます。
二人の士気も高まっております。

DSC00199

来週までにやらなければいけない重い作業。
うまくでてくれることを祈ります。

DSC00200

コンロッドフルフロー加工 続

だいぶ作業が遅れているW1のコンロッドフルフロー加工です。
ジグ製作して小端部の芯円加工を致しました。
ハンドリーマのため、0.1mm切削するのにもかなり力が必要です。

DSC00185

リーマ後、ホーニングして切削面を仕上げました。
コンロッドが微振動するためがっちり押さえてね。この変も想像していなかったためいい勉強になりました。
次は、ブッシュの製作に入ります。

DSC00186

コンロッドの圧入代と、圧入後のリーマの取り代を考えて製作していきます。

DSC00188

材質は、リン青銅です。
サクサク削れていきます。

DSC00189

条件次第で鏡面も可能です。

DSC00190

完成です。このあと、じっくり冷蔵庫で冷やしてから圧入します。
また明日に持ち越しです。

DSC00191

w1コンロッドその他

日曜日の板金からガラッと変わり、内燃機の作業を進めています。
画像がたまってきたので一気にいきます。
フライホイール軽量加工の、ラストの工程は、フライスで余分な肉を切削していきます。
円テーブルで芯だしをしてから、ダイヤルで面の水平レベルを出していきます。
これが、めちゃくちゃ時間かかりました。次から、工程変えて加工しよ。

DSC00152

この辺は、臨機応変に。

DSC00151

芯だし、水平がきまったら、切削です。

DSC00155

キレイです。
あとは、三等配だから、円テーブルを120度ずつ振って加工すれば、x、yの座標も同じに加工できます。

2013071819440001

無事納品致しました。
ちなみに、軽量加工は、加工後バランス取りが必要です。今回は、業者様の方でバランス取りを行うため加工のみです。
当社では、スタティックバランスで、バランス取りを致します。
フライホイールに穴があいてあるのにきずきましたか?
ひとつ、ひとつ、バランスが違うため、穴の位置や、数も違います。
このバランスがエンジンはキモです。バランスがとれていないとエンジンはスムーズに回りません。
暇な人は、タイヤのホイールについているウエイトの位置をずらして、手で回してみてください。
違いのわかる人になりますから。

2013071819440000

Wのコンロッド小端部の計測です。
シリンダーゲージにて実際どのくらい楕円になっているか精密に計測します。
1メモリ0.01ミリです。
メモリが、0のところを22.50にマイクロメーターでセットします。
縦方向22.64です。

DSC00178

横方向は、22.52です。0.12mm楕円しています。このあと、芯円に加工するのですが、
計測した寸法を控えて材料待ちです。

DSC00179

その間に、業者様からの依頼で、スロットル内径拡大の準備を致します。
バタフライが組まれた状態なので、浸透油をかけボルトを外しにかかります。
なめりそうで怖いんですよ。じっくりつけておきます。

DSC00176

ホームセンターにいったらこんなんありました。
歌い文句がズルすぎる。
ええ、もちろん買いましたよ。(笑)

DSC00183

デボネア パテ研ぎ

週末恒例となっているデボネアのスムージング。
だいぶ面がでたところで一旦サフェ入れて様子見です。
T君が、がんばったフェンダー。キレイです。

DSC00170

業者様がなかなかアップで撮らないとこもみせます。

DSC00171

大分いいとこまできました。

DSC00172

アップでいきます。

DSC00173

こちらも。
サフェ入れると、見えない部分が、見えてきます。

DSC00174

明日からは、また内燃機の仕事をすすめていきたいと思います。
T君、早く機械加工覚えてバイトで来てね。

コンロッドフルフロー加工

先日、富士宮のU-CRANKさんへご挨拶しに伺いました。
U-CRANKさんといえば、オールドタイマーでW1の、クランク分解、組み立てで、取り上げられて有名ですよね。
雑誌にも掲載されているスペシャルなプレス機もみせて頂きました。ここでは、詳しく言えませんが、あれはすごいです。
もう、クランク専用のプレスジグですね。他にも、芯だししたクランクを偏芯検査機で見せて頂いたのですが、振れ0.02mmで上出来でしたが、代表の植澤さんは、もう少し追いこみたいと言っていました。ええ、名前の通りクランクにかなり力入っています。
知っている方なら、このクランクの振れ0.02mmというのはどのくらいすごいかわかりますよね?
そんなこんなでエンジンの話やらで長々とおじゃまさせて頂き、その数日後、さっそく加工の依頼を頂きました。
コンロッドのフルフロー加工なんですが、問題はこれ。

DSC00163

この状態での加工です。コンロッド単体での加工は、今までやってきているのですが、この状態ははじめてです。
基本コンロッド単体での加工しか受け付けないのですが、今回は、大人の事情とのことで、加工精度や、その他いろいろお話したうえでやることにしました。ほんとは、U-CRANKさんで、ばらし、加工後、芯だしが一番精度がいいし、エンジンも長持ちして走っていても気持ちがいいとおもいますが。まあ、いろいろあります。

DSC00164

問題の小端部です。
楕円になっています。
ブッシュは、なにもなければ圧入されているので動きませんが、手でするすると動きます。
コンロッドが動くとブッシュも動き結果摩耗して楕円になってしまっています。
これを芯円にしてからブッシュ圧入とゆう流れになるのですが、旋盤、フライスが使えずしばし眺めます。
リーマーで芯円は可能ですが、水平、直角が問題です。

DSC00165

いろいろなとこを計測しながら考えます。
ハンドリーマーを正確に狙うには。

DSC00169

悩んだ結果、ジグを製作してそれをガイドに、リーマー加工、ホーニングでいきたいと思います。

DSC00168

こいつが今回の主役になります。材料がきしだいジグ製作にはいります。

フライホイール続

フライホイール軽量加工の続きです。
その前に、少しだけ軽量加工について説明します。
フライホイールは、エンジンの回転に惰性を与え回転を滑らかにします。
エンジン始動時は、フライホイールの重量慣性によってピストンを上下させています。
しかし、一旦エンジンが始動してしまえば必要がなくなり、今度は逆にその重さが高回転時のエンジンレスポンスを悪化させます。
フライホイールはある程度の重さが必要ですが、軽量加工をすることにより、エンジン回転のレスポンスを高め、加速をよくすることになります。もちろん軽量化にはリスクがあり、低速トルクを失う事になりますが、高回転型のエンジンチューンには効果を発揮します。簡単に説明したところで加工に移ります。
前回加工した反対側の鋳肌を切削していきます。
旋盤でチャックしたらダイヤルゲージで振れをとってから切削にはいります。
三つツメでも振れとりは必要ですよ。
画像右端の出っ張りを落とします。

DSC00138

ツラツラ狙います。
慎重に。

DSC00143

okです。

DSC00144

次は、鋳肌が残っている部分を切削していきます。

DSC00142

またしてもテーパーです。
しかも逆テーパーのため角度がきつく、刃物台をふってギリギリでした。

DSC00145

キレイにとりきりました。
鋳物は固いためすぐに刃先が摩耗するので、バイトを研ぎながらせっせっといきます。
ss材や45cを削るときよりも刃先を丸くしてやると刃持ちがいいです。
仕上げ用は別で刃物台につけとけば面倒になりません。

DSC00150

一個加工してしまえばこっちのもんです。
あとは同じように加工して、次の工程へ。
そうです、終わりではないんです。次はフライスにて加工します。
続きます。

旋盤修理

この暑さを扇風機一台で凌いでおります。
世間は三連休ですが、私はフル稼働しております。
今日は、旋盤の芯押し台の修理の加工があがってきたので、組み付けにトイダマシンサービスの社長にきて頂きました。
押しコップがガタガタでセンターすら揉めない状態でしたので、クイルを溶射加工して
ケース内をボーリングするとゆうメニューになりました。

DSC00154

クソ暑い工場内で、休まず調整して頂きありがとうございました。
国家検定1級技能士の資格をもってるだけに、仕事は丁寧かつ、精度重視です。
古い工作機械を修理する職人が絶滅していくなかで大変貴重な存在です。
ベット面の擦り合わせやカミソリの調整などで工作機械の精度がきまっていきます。
キサゲ加工もそうですが、日本の工作機械は手間がかかっているため精度がいいのです。
精度がいい機械だがらこそ加工精度がでると思います。
まれに、ガタガタの旋盤でバチバチに精度だす職人がいますが、この道30年、40年の熟練工で
機械の精度を腕でカバーしている方もいます。

DSC00161

加工まえのクイルとケースないのクリアランスが一番広いとこで0.5mmほどありました。
加工後は、0.01mm以内に収まりガタすらなくなりました。
油膜分のクリアランスですね。

DSC00160

これで、あと10年は、がんばってもらいます。
クセのある旋盤ですが、使いこなしてる感が汎用機のおもしろいところです。

DSC00162

旋盤仕事お待ちしております。

フライホイール研磨

工場が蒸し風呂状態です。
ムチャクチャ暑いです。
こんなに暑いとシリンダーゲージも伸びるからボーリングと、公差がある加工は、日中は厳しいです。
空調入れて温度管理できたらいいんですが…。
当分、朝一加工、夜加工で対応してきます。
業務の方は、フライホイールの加工にはいりました。
鋳物です。ベース部と面研、鋳肌を旋盤で加工していきます。

DSC00131

仕上がりはこんな感じ。
つるつるに、仕上がっています。
バイト研磨なので、砥石研磨みたいな鏡面まではいきません。
面研量は、0.1mm以内で仕上げました。

DSC00134

真ん中のテーパー部分がくせもので、芯だししても、この部分の鋳肌が偏芯しててとりきるのに時間かかりました。

DSC00135

面研が終わったら、外周を切削して肉抜きをしていきます。
これ、実は、リングギヤの反対も肉抜きやるんですが、この面だけで一個1時間30分かかります。
あと、四枚あるんですよ。
切削速度あげればいいんですが、つかみシロが…なんで、地道に固くいきます。

DSC00136

おまけです。
機械加工好きのお客様、これで一杯どうでしょうか?

DSC00137