HDショベル 岩手

ため込んでいたショベルのエンジンをやっと触りはじめました。
部品を頼んで到着するまで2週間ほどかかる(汗)

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作業内容にシートリングの入れ替えが入っていたため現状のバルブ突き出し量を確認すると限度値をはるかに超えています。バルブステムエンドを削ってなんとかした感がありますがそもそも突き出しオーバーですから意味がありません。

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シートリングを抜きとりシートリング穴も芯円に修正します。

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バルブガイドも打ち替えます。傷が入らないようキレイに抜きとっても傷が入ったままガイドを入れられているとガックリです。
画像はリーマで修正中。ショベルのガイド下孔を修正する場合ガイド穴が倒れやすいので面倒ですが機械にセットしてリーマで拡大していきます。

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バルブガイドは内径をバルブステムに合わせてリーマ通し、今度は内径を基準に外径をガイド穴に締め代がつくようジグにセットして加工します。

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バルブガイドを焼き嵌めシートリングも製作。
吸気と排気で材質も替えています。
とにかくものすごく手間かかっています。

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シートリングを焼き嵌めてヘッドが冷えたらシートカット。
マニュアル基準値に突き出しを合わせてあります。

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そんな作業を2機同時進行していました。
前期と後期の組み合わせで同時に作業するのってちょっとアブナイですが・・・。

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木箱の取り扱い方法

暖かくなってきましたね。花粉の季節がやって参りました。
鼻は垂れるわ、頭は重いわでコンディション最悪な状態でZ1の梱包作業。

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木箱にZ1がすっぽりと収まります。
養生用の毛布でエンジンは見えませんが。

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木箱の取り扱い方法をお伝えしておきます。

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画像の用に手を掛けて手前に引きます。
そのあと反対側を持ち上げると蓋が取れる仕組みになっています。
ケンドンって言うらしい。

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しまう時は逆の手順です。
エンジンが降りたらそのまま着払いでうち宛に送りつけて下さい。

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さぁ、これからはガンガンこの木箱に働いてもらいますよ!
全国回るのに何年かかるかな?

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Z1オーバーホール 愛知

今日の静岡は雨でした。本当はZのエンジンを発送する予定でいましたが明日以降晴れたら発送させて頂きます。

そのZのクランクを点検。
ベアリングのガタも良好です。
コンロッド小端部内径もOK!

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続いて曲がり点検です。
ウェブに書かれている数字2というのは曲がりが0.02mmという意味です。
振れはこの数字の半分ですので0.01mmとなります。
もうこれは極上クランクと言ってもいいですね。中々ここまでいいクランクはありませんよ。
銅ハンマーで引っ叩いて0.01mmまで修正しておきました。
加工のほうはこれで終わりになります。

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あとはオーナーが組み付けて完成になりますが、組み付け前に見落としがちなのがバルブスプリングです。バイク屋さんなら絶対やっていると思いますが個人でエンジンを組み付ける方は結構手を抜いてしまう部分ですよね。
うちにヘッドを出してくれる方にはpricelessで点検しています。
Z1の整備書にはスプリング長で点検しろと書いてあります。

アウター39.3mm 限度値38.0mm
インナー36.0mm 限度値35.0mm

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アウタースプリング。

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インナースプリング。
全て規定内に収まっていましたので問題なく組み付けられます。
大丈夫かも?多分大丈夫。ではダメなんですよ。エンジンは!

オーナー様お待たせしました。明日晴れたら発送します!
ありがとうございました。

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Z1オーバーホール 愛知

一人ではやりこなせない量のお仕事を頂きありがたいかぎりです。
納期のほうもがんばって詰めていますが加工以外にも納品や引き取り事務仕事なんかも一人でこなしているため時間がかかってしまうのが現状です。とりあえず倒れないくらいにがんばっていますのでそこのところよろしくお願いします。

Z1エンジンの続きです。
バルブガイドを打ち込むと必ず内径は歪ますのでシートカット前にリーマ合わせをしておきます。
画像はシートカット中です。Z用の刃物でリングの余分な肉を削って仕上げます。

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仕上がりはこんな感じ。

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バルブはキブルの新品を使用します。
カッコイイですね~。

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画像にはありませんがプラグ穴も3か所ヘリサートで修正しました。
最後にヘッド下面を最小研磨し完成です。
あとはクランクですね。

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そうそう、これからこの木箱でエンジンを発送することにします。
小学生の頃からずっとつるんでる悪友の大工に頼んで作ってもらいました。
もう少しかっこよくなる予定です(笑)こだわりだすと止まらなくなっちゃうんだよな。
少しずつカスタムして楽しみます。

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Z1 オーバーホール 愛知

Z1のヘッドに着手しました。
まずはヘッドを温めてバルブガイドを抜き取ります。

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ヘッドが冷めたらバルブガイド穴をシリンダーゲージで計測。

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12.03mm~12.05mmと各ガイド穴で寸法がバラついています。
0.01mm単位で締め代をつけますので計測作業が肝心です。

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BITO製OSガイドを使用します。
ツバ部分が一体になっているタイプです。

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ヘッドを温めてガイドを焼き嵌め次の日レッドチェック。
温めたり冷ましたり内燃機作業は忙しないです。

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Z1オーバーホール 愛知

お預かりしてるZ1シリンダーの上面研磨中。
スリーブ入れ替えを行うとツバ部分が飛び出ますので最小で研磨し面を仕上げていきます。

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ボーリング後。
67πから70πの3.0mmアップ。
スリーブの肉厚は片肉約2.7mmと十分に確保しました。ノーマルスリーブで70πにボーリングするとスリーブの肉厚は片肉約1.7mmとなり次がないですが今回はその心配もいりません。

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温めて冷やし加工また温めて冷やし加工と結構な工程がかかっています。
作業をしていて思うことは修理というよりは作り込むという表現のほうが合ってるように思います。

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Z1 オーバーホール 愛知

今日の朝は冷えました。普段より3時間早く出勤してキンキンになっている工場を温め加工計測できるようこの時期は気を使います。

画像はZ1に使用するWISEKOピストンキットのスリーブです。

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シリンダーバレルの拡大って何ですか?と聞かれる事がありますが、スリーブが収まっている部分の事を指します。(画像の部分)
ボアアップで適正なスリーブの肉厚を確保するには外径の大きいスリーブが必要でそのスリーブが収まるようにバレルもボーリングで拡大する必要があります。

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バレルボーリング後。
2.0mm拡大しました。スリーブに適正な締め代がつくよう寸法管理もシビアです。
常温では全く入りませんのでシリンダーを温めて焼き嵌めます。

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スリーブを入れて1日置いた状態。
焼き嵌め後は必ずシリンダー内が歪むため完全に歪みきった状態でボーリングしていきます。

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そうそう、スリーブを入れる前にシリンダー下面も研磨しておきました。
この後上面研磨しシリンダーの平行を出します。

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70πで1015cc。
Z1000のSTDではなくWISECOピストンですから圧縮も上がるためパワフルなZ1に仕上げる予定です。

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Z1オーバーホール 愛知

本日から早朝出勤して作業ペースを上げていきます。

お待たせしている愛知県からZ1のオーバーホール依頼。
注文していた部品が揃ってきたため加工作業に入ります。

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洗浄前のヘッドはこんな感じ。
加工見積もりを出す場合ですが、カーボン除去と計測作業後になるため少々お時間を頂く事になります。

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シリンダーはボアアップも兼ねてスリーブ入れ替えです。
シリンダー内はキツイ当たりも無く綺麗に磨耗していますのでこのエンジンは程度が良さそうですね。すかさずクランクの曲がりを見てみたいですがお楽しみはとっておきましょうか!

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ヘッド、シリンダー共に程度がいいですが唯一ダメなところ。
クランクケース上面のオイルラインに引っ掻きキズ。これがどうやら悪さをしているらしくオイルが漏れてくるとの事。
ガスケットを剥がす際にスクレーパーでガリッとやらかした感じでもナイ?
キズは浅いですが繋がってしまうとアウトですね。

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クランクケースから作業にかかります。
まずはアルゴンで盛り盛り。

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機械にセットし上面研磨の段取り。
この画像だと分かりずらいというかわからないかと思いますがケース上面には角度がついていますから加工している時間よりセットしている時間の方が長いです。上面の歪みはマズマズと言った所。

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セットが終われば最小で面が出るまで研磨し完成です。
セット2時間、加工15分。うーん。

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これなら多い日でも安心です。

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ピストンも届きましたのでシリンダーの作業に取り掛かりたいと思います。

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Z750D ヘッドOH

くたびれたZのヘッドを快調にするため黙々と作業していました。

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ガイド入れ替え、シートカットの通常作業です。

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ヘッド下面も最小に研磨。
一度も面研されていないヘッドの割りには歪みも少なく、イイ意味でZらしくないヘッドでした。

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ピントが合ってない一番手前のスタッドボルト。
残っていたボルトを削り取ってヘリサート。頼まれていた新品のスタッドボルトに入れ替えておきます。

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バルブは新品を使用します。
Zの純正バルブガイドは銅系のモノが使われていてバルブが少々曲がってもガイドの材質が柔らかいためか曲がったバルブがうまいこと動作している事があります。今回排気バルブ4本全て曲がっていました。

これで快調Zになってくれるはず!と言うか、なってくれないとマズイです。

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CBX400F 腰上&クランク

業者様から依頼のCBX400Fをリフレッシュさせていました。
CBXのキモは何と言ってもバルブ周りですね。16本もバルブがありますから各気筒で圧縮がバラついてたりすると調子も出ません。
と言う事でバルブシートカット。

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こちらのヘッドはバルブ擦り合わせのみ。画像にはありませんが2機ともバルブはフェース研磨で再利用です。
擦り合わせだけで。と言われる事がありますが、擦り合わせにも限度があるためその場合にはシートカットを勧めます。

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シートカット、バルブ擦り合わせが終わったら最小面研でリフレッシュ。

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もういっちょ。

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シリンダーは社外品のピストンでボーリング。
社外品ですがオーバーサイズのピストンがでるだけありがたいですね。

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ボーリング後はシリンダー上面を最小研磨でフィニッシュ。

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そして最近定番になりつつあるクランクの曲がり修正です。
プレスで押して曲がり修正をするのですがこれはいつやっても緊張します(汗)
いちお自分の合格ラインは0.00mm~0.03mm(ダイヤル読みで)です。この範囲を越えたクランクは曲がり修正し、振れが合格ラインに入るようにしています。

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完成!
バルブガイドのガタも良好でしたからこれでバッチリ調子良くなりますね。
ありがとうございました。

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