GS400 東京

うちに長く居座っているGS400です。
表面処理に出していた部品が揃ったところで作業を進めていきます。

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ヨシムラカムはオーナーさんに後日追加で頼まれたのでこれが処理から帰ってこないとなんにも進まない状態でした。
カムシャフト、ピストンピン、バルブステムはDLCコーティング。
ピストン、ピストンリング、カムホルダー、バルブリフターはWPC+ショットピーニングです。

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DLCいいですよね~。
自分のエンジンにも絶対やる予定です。

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ヨシムラカムとビッグバルブをうまく動作させるため一度ヘッド単体で仮組み測定してシートカットでバルブの突き出し量を調整していきます。組んでは測定加工と地味で面倒な作業ですが、チューニングエンジンなんてそんなもんです。

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完成後はこんな感じです。
ノーマルと比べるとバルブはかなり下がります。
が、ヨシムラバルブはバルブ長が短く設定されていますのでこれで多分大丈夫です。

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そうそうポート研磨も追加で頂いたのでがんばりました。
ガイド入れ替えがあれば抜いた状態で加工できるので楽なんですけどね。
ガイド周辺の肉はこれでも攻めた方です。

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シリンダーはスリーブ入れ替えで450仕様にしましたが画像が無い為ご勘弁を。本日発送済みです。ありがとうございました。

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HD ダミーヘッドボーリング

今月はハーレーばかりやっています。
トルクプレートもほとんどの年式揃っていますからボーリング依頼は多いです。
今日は一気に紹介します。
まずはナックルのシリンダーボーリング。
Fのみですがもちろんトルクプレートを使用します。

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010オーバーですがなんなく取り切れます。

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続いてXL1200。
新品のシリンダーですがピストンとのクリアランスがいまいちのためホーニングでクリアランスを調整する依頼です。

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加工前のシリンダー内はこんな感じ。
テーパー+楕円に仕上がってる新品シリンダーのためどうしたものか?

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テーパーはなんとか修正できますが、芯円に修正するには最低でも0.03mmほど取り代が欲しいところです。

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いい塩梅のところで修正完了。

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続いてTC88。
去年作ったトルクプレートが早くも活躍してくれます。

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ピストンはKBでお約束の010インチオーバーです。
この寸法のオーバーサイズって加工屋泣かせです。

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まぁ、取り切りますけどね。
あと何機あるんだろ?
来月もハーレーLifeです。

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PANヘッド 高知

今日は暖かいですね~。

パンヘッドの続きです。シートリング焼き嵌め後、シートカットで規定のセット長まで追い込みます。
突きだし量は38.1mmにセットしました。新車時はこの突きだし量のはずですからね。

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シートリングとバルブの位置関係もいい感じです。

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ヘッド面研に行く前にフィン欠けを一枚修理しておきます。

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アルゴン盛り盛りで削っては盛っての繰り返し。

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仕上げは田村流鋳物肌加工です。
やり方は超簡単なので詳しく知りたい方はお問い合わせ下さい。

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面研が終わったらステムシールが付くようにロアカラーを加工してセットします。
もともと国産の8π用ステムシールが付いていましたがロアカラーを加工せずに取りつけていたためアッパーカラーと干渉して潰れていました。ロアカラーを加工してステムシールが潜るようにしてありますのでこれでうまく動作してくれます。

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バルブをセットしたところです。
発送までに少し時間があったためロッカー周りも組もうかと思いましたが。

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ご臨終です。
F、R共にシャフトの摩耗が手で触ってわかるくらい段付きがあります。
オイルラインから砂のような、金属片のような異物が大量に出てきました。
間違いなくコヤツが悪さしたでしょう。

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そんな感じで不完全燃焼ですがオーナーの諸事情もあるためここでタイムアップです。
やっぱPANヘッドって手ごわいです。時間も手間もそしてお金もかかるわけだ。
とりあえず発送致します。
よろしく哀愁。

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PANヘッド 高知

オーナーの諸事情に合わせるため今日は手の掛かるPANヘッドに着手。
まずはガタガタのバルブガイドを抜き取り、ガイド下穴を4箇所リーマーで修正します。
バルブガイドはブラックダイヤモンドとV-TWINのミックスです。
この後ガイド外径とステムシールを取り付ける加工を追加します。

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こんな感じ。
ガイド穴に合わせて一本一本加工しています。

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ガイドができたらヘッドを温めて焼き嵌めます。
ヘッドが冷めたら拡大されたシートリングをPANヘッドのバルブが収まるようにするためシートリングを抜き取ります。

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地味に座繰り取った所。

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鋳ぐるみされているシートリングは全て取り切らずに残しておきます。

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続いてシートリングをこれまた1個ずつ製作していきます。
ヘッドとの締め代がここで決まりますので集中です。

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見た目では全然分かりませんが0.01mm単位で寸法も違います。

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そしてまたヘッドを温めてシートリングを焼き嵌めます。

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ここまでやっておけばあとは何とか大丈夫でしょう。
しかし、ハードすぎるし、気持ちは焦るしで堪りませんね。
あ~疲れたぁ。ビール飲みて〜。

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GS400 福島

なんだかんだ集まってきます。
GS400のヘッドオーバーホール依頼です。

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純正ガイドはオーバーサイズでくるため、ガイド外径を加工してガイド穴に合わせる必要があります。

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バルブもフェース研磨で再利用します。
画像は研磨前。

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ガイド入れ替えが終わったらシートカット。
画像はカット前。バルブの当たり幅も広いです。

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カット後。
当たり幅

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今回バルブガイドは吸気側しかメーカーからでなかったため排気側も吸気側のバルブガイドを使用しました。
若干長さが足りない感が出ていますが普通に使用するには問題ないレベルです。
それよりバルブガイドがこれから生産されない可能性がでてきました。
GSのバルブガイドって結構流用が利くため便利だったんですがね。困ったもんです。

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オーナーさんが気にしていたカム周りをチェック。

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吸気側は大丈夫ですが排気側は完全に減っていますね。
ヘッド側もうーん。と言った感じ。オーナーさんが言っていた音は多分排気側のカム周りで間違いないです。

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ヘッドは最小面研でとりあえず加工のほうはこれで終わりです。
とりあえず発送の準備だけしておきます。

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無題

K6A0.1mmオーバーサイズ。
1.0mmの間違いではなく0.1mmです。

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F6A0.25mmオーバーサイズ。
最近は720よりこっちが多い。

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ブロック上面研磨。
0.6mm落とし。

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大人の事情で1日一機のペースです。

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最近は若い衆が引き取りにきてくれるため楽になりました。
お土産もたくさん持ってきてくれます。

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CBX400F 群馬

CBX の腰上オーバーホールの作業です。
カムジャーナル部分に問題がありましたが、オーナーさんに良品のヘッドを送って頂きそちらをベースにシートカット。

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擦り合わせ後。
当たり幅もマニュアル規定値に収まります。

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バルブは再利用しフェース研磨しています。

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一本だけ取れなかったマフラースタッドボルトもこの通り。
CBXはたまに物凄く固着しているスタッドボルトがあるので注意です。
スタッドボルトリムーバーではへし折れるし、溶接して取るのが近道かな。

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そしてオーナーさんが気にしているシリンダー。
これは0.5mmオーバーサイズピストンでボーリングした所。
リング状になって色が違う部分が取りきれていないところです。

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シリンダートップ部分にも。
通常シリンダーゲージが計測しづらい部分です。
初めから1.0mmオーバーサイズのピストンでやってくれればよかったのに。と思いますが、0.5mmで取りきれてくれればあと2回ボーリングできるためなるべく加工は最小限に控えるのが自分の考え方です。

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結局このままでは使えませんので1.0mmオーバーサイズピストンで再度ボーリングして完成。
機械にセットし直し、再度ボーリングという二度手間を考えると工賃がタダとはならないかな。
それやってたらチューニングで3.0mmや5.0mmなんてボーリングやってられんでしょ!水穴と繋がったからボーリング代は払いません。とか普通は無いです。

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CB750K1

お待たせしていたCB750K1ですが無事に組み上がりました。

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ブラスト後ガンコートでお色直ししています。
純正っぽい感じ。とオーナーに頼まれていたため7分艶のシルバーです。

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たまには丸々一機の仕事もいいですね。

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HDショベル 岩手

本日日曜日。静岡の気温17℃、工場内は20℃とベストコンディションです。

ショベルの腰上オーバーホールでお預かりしているヘッド。
プラグホールからの漏れチェックを実施。ヘッドを予め温めた状態でレッドチェック。

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二日ほどたちましたがまったく漏れてきません。

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もともとプラグホールはネジスリーブで修理されていましたので、ネジ山からよりもヘッドとネジスリーブの嵌め合い部分からの漏れの可能性を疑いましたが見事にはずれましたね。いい意味で。
それでも一度バルブを仮組みして燃焼室に灯油を注いでエアーでブクブク作戦も試みましたがやっぱ漏れてません。
オーナーさん問題ないですよ。

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言われなきゃわかりませんがバルブガイドはF,Rで2本製作モノが入っています。
バルブガイドの厚みが違うでしょ?
シートリングも言われなきゃわかりませんが排気側は熱処理した耐熱鋼で作ってあります。
エンジンを掛けて体感できるようなモノではまったくないですけど。

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それでも弾けるようなフィーリングになるんだなぁ。
ちゃんとバルブ周りをやってあげるとって意味ですよ。

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発送済みの到着連絡頂きました。
あとはオーナーさんに頑張って組んでもらいます。
ありがとうございました。

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PANヘッド 高知

確定申告も無事に終わりホッとしています。
仕事もいいペースで進んでいますがいまだ2月の依頼をこなしていたり、溶接が絡む仕事は超が付くくらい納期が遅れています。(汗)

今日も飽きずにハーレーネタ。
スリーブを打ち替えたらトルクプレートを引っ掛けてボーリングの準備。
ピストンはKBのローコンプです。

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なんか注文するたびに形状が若干変更されていたりすると思うのは自分だけですか?

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ボーリング後。
スリーブの内径は85.0mmです。ピストンに寸法を合わせるため約2.0mmほどボーリングしていきます。リプロシリンダーはボーリングすると中には巣が出るような粗悪なシリンダーが混じっているようですが国産スリーブを2.0mm掘っても巣なんかでやしません。

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完成!
くどいようですが1シリンダー35000円。
高いか安いかは値段ではなく中身で判断して頂くと分かってもらえるかと思います。

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シリンダーは上下面研でリフレッシュです。
50年も前のシリンダーですから一度も面研されてない場合はやっておいたほうがイイに決まっています。少なからず歪みは出ていますからね。

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そして朝一に馴染みのハーレー屋さんから頂いてきたヘッド。
このシリンダーとセットのヘッドですがクラックの問題を抱えていて如何しようか?と頭を抱えていましたが、、たまたま同じ年式のヘッドを在庫で持っていると言う事で程度も良さそうなんで譲って頂きました。
とりあえずガイドは抜かずにガイド周りのレッドチェックです。
PANヘッドのクラックはお約束ですからね〜。

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ちょっとヘッドの方はまだかかりそうなので先にシリンダーを発送させて頂きました。明日到着予定です。

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