KZ1000 香川

KZ1000のヘッドをオーバーホールしていました。

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加工前のバルブ周り。
カーボンの噛み込みでバルブの当たり面が荒れています。

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ヘッドのオーバーホールの基本はやはりバルブガイドの入れ替えです。
バルブガイドは消耗品ですからステムシールと一緒に交換が望ましい。

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今回もいつものBITO製バルブガイドを使用。
1から削り出してもいいですけど、金額と時間を考えるとこちらを選択するのが賢明かな?

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シートカット後。
吸気側と排気側で当たり幅を若干替えています。
拘り部分。

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そしてバルブのすり合わせ後は必ずバルブの突き出し量を計測。
Z系のヘッドはもともと突き出しがバラつき気味ですからシートカット前に突き出し量を確認して余裕がありそうな場合は突き出し量を4気筒揃えるようにしています。
が、制約もあるしステムエンドを研磨して逃がす場合もあります。ケースバイケースということ。

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ヘッドは修正研磨。

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このくらいの腐食なら問題ないレベルです。
発送済みです。ありがとうございました。

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HDショベル 愛知

先週末の話。1週間経つのはホントあっという間です。
オイルポンプ待ちとなっていたショベルのエンジンを組み立てていました。

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S&Sのオイルポンプを使用するためケースに追加加工も忘れずに。
クランクをケースに引き込みあとひと息というところでまさかのオイルポンプのスタッドボルト折れです(悲)もう笑うしかありませんね。
ハンドドリルで狙いを定めて。といきたいところですが穴が斜めになったりキズついたりすると台無しですからもう1度ケースを割ってやり直します。

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機械に対しオイルポンプベース面が垂直になるように。
ハーレーのクランクケースは形状がイビツのため加工する前の段取りが大変です。

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折れボルトの芯を掴めばもとのネジ山を残して取り去る事ができます。
この後念には念をという事でヘリサートを入れましたけどね。

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あちこちシム調整して確認と。細かい作業は省きましていっきに完成。
カムのエンドプレイ調整に4時間費やしたのは内緒の話。
あとの作業はオーナー様にバトンタッチです。

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Z750GP 愛媛

工場内作業待ちのエンジンが増えてきました。やっぱこの時期1年で1番忙しいです。
ブログで告知したためか業者様から早々にエンジンが届いたり、個人のオーナー様からの見積もり依頼も増えています。
前回も書きましたが年内加工完了をお考えの方はお早めに。

Z系のエンジン加工依頼はとにかく多いですね。Z750GPのヘッドオーバーホールを承りました。
上がもともと入っていたバルブガイド。下が支給されたオーバーサイズのバルブガイド。
この社外のバルブガイドですがどうもよろしくありません。

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普段通りガイド下穴との締め代をキッチリとって焼き嵌めますが何故かリークチェックで漏れてきます。
今年このガイドで3回やり直しました。

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そういう事でガイドを製作。

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再びヘッドを温めてガイドを焼き嵌め。リークチェックOKならシートカットへ進みます。

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すり合わせ後にバルブ突き出し量を計測。バルブ研磨機でステムエンドをシートカット前の数字に近づけてシム調整をし易くしておきます。最後にヘッド面を修正研磨しガイド穴をホーニング仕上げして完成です。

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コーヒーブレイク中に久々の動画を撮ってみました。
バルブガイド内径仕上げ。バルブステム径との適正クリアランスでバルブが自重で落ちるくらいがイイ。

HD IRONHEAD 新潟

アイアンショベルコンロッド回りのお仕事。

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まずは飛び出ているスモールエンドブッシュから。

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そのまま加工するとスモールエンド側面も切削する事になってしまうため、面倒でもブッシュ側で合わせます。1度抜き取り生爪で掴んで圧入した時にオイル穴が真ん中にくるように両端を落としていきます。

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そして再度圧入。
ブッシュ内径はピン径より小さくできていますのでピンが入って且つフローティングするように内径を仕上げていきます。

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リーマー加工後ホーニング仕上げ。ピン径とのクリアランスはしっかりとボアゲージで計測していますが最後はやはり手でピンを入れた感覚を大事にしています。このくらいかなぁ。ってくらいが意外にいいところにいたりします。(数字的に)

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ハーレーの場合コンロッド単体でのお仕事は受け付けていませんが。今回は特別に。
新品に入れ替えたレース内径はかなり小さくできています。
画像は仕上がっている状態。

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こんな感じで機械にセットして砥石で徐々に研磨して広げていきます。
本当はビッグエンドを仕上げてからスモールエンドを加工するのが基本ね。
しかし取り代が多くてかなり時間かかります…。

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お待たせしました。
発送済みです。

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GS400

GS400のエンジン。
ドレンボルトの修理はよくやりますが今回は別のボルト折れの除去。

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こーんなに深いところで穴芯を狙うのはジグ無しではキビシイです。

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それでもまぁ、できなくはないかな?

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シリンダーは0.5mmオーバーサイズピストンでボーリング。
お決まりのシリンダー上面研磨。

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いきなりですがカメラを新調しました。
ここまで攻めれます。

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バタバタでシリンダーしか画像撮ってませんでしたがクランクとヘッドも通常通りしっかりとやってますよ。

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ロビン

富士重工業の汎用エンジンです。
シリンダーはブロックと一体。

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ディーゼル。
オーバーサイズピストンは純正で手に入ります。

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スタッドボルトが邪魔でしたが、まぁ何とか交せました。

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ピストンクリアランスは空冷エンジンと大差ないくらい。

初めて見るエンジンは新鮮ですね。

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HDショベル 山梨 福岡

年末が近づいてきたせいか毎日加工依頼のエンジンが持ち込まれたり送られてきます。
予想はしていましたが今年は去年より締切が早そうです。今月末を目処にと考えていますが状況次第ですかね。

まとめてショベルのヘッドをオーバーホール。定番ですね。

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同じ後期エンジンですが状況は全然違います。
ガイド頭がもげてるヘッド。

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ステムシールが浮き上がってしまっているヘッド。

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バルブガイドの入れ替え作業ですがとにかく打ち抜く前の下準備が肝心です。
燃焼室とポートはサンドブラストでカーボンを除去。ヘッドを温めてバルブガイド打ち抜きます。
ガイド下穴が荒れていたり、楕円や、テーパーになっている場合はリーマー、もしくはボーリングで真円に修正します。
クラックの入っているヘッドは大概ここがダメになっている場合が多いです。

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何も注文がなければ鋳鉄ガイドを使用します。
ガイド内径をリーマー加工。吸気と排気でバルブのステム径とクリアランスが変わるためリーマーも2種類。
リーマーで仕上げた内径に合わせて同芯になるよう外径をガイド下穴に合わせて加工します。
ガイド頭はステムシールが付くように。さらに抜け止め防止加工を忘れずに。

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今までの加工がうまくいくとシートカットも最小に仕上がり見た目もgood。
バルブ突き出し量も最小に抑えられます。

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ステムシールはVITON製。

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ロッカースタッド1本入れ替え。

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ヘッド修正面研。
パリっと仕上がりますね。

ありがとうございました。

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ダットサン620 part2

4.0mm程ボーリングで拡大したところに巣が現れました。
ブロックにもよりますが3.0mmまでは安全圏。そこからは運次第で御座います。

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ホーニング取り代を残したところまでボーリングしますと、巣穴と水穴が微妙に繋がる。
このままでは使いモノになりませんのでスリーブを入れて対処します。
一昔前なら即スクラップ行きでしたがそうもいかない時代になりました。

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スリーブ外径に合わせてさらにボーリングで拡大。もちろん圧入代分差し引いて。
ブロックに合わせてスリーブも加工します。専用スリーブではないので。
拘りと安心の日本製を使用。

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内径は約75mm。
手間ですけどもう一度ボーリング加工。

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気づきました?
ブロック上面はスリーブとの段差をなくすため修正面研しました。
歪みもそこそこありましたが腐食が酷い状態でしたので一石二鳥です。

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安心して下さい。巣穴出てきませんよ。

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ブログだと画像一枚で完成するホーニング。
何時も気を許す訳にはいかない非常に神経を使う作業です。

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無事に完成です。

まだまだ現役で走ってもらいましょう。

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ダットサン620 part1

久しぶりに車のエンジンネタです。
ダットサン620。

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1300のJ型です。
うちのトラックと同じエンジン。

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今回使用するピストンは1500のモノ。78mm。

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現在のボア径73mm。
先程のピストンに合わせて5.0mmボアを拡大していきます。

長い旅の始まりです。

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