HDナックル46 徳島 #4

 

前回の続き。

マウント部を修正するのに必要な工具を取り寄せて、作業開始。
超超ロングなエンドミルです。

 

 

p9270233

 

 

半分ぶっ欠けていた部分はアルゴン盛りしましたがトーチが振れない部分はしょうがないですね。
座面が出来ただけでも違います。

 

 

p9270234

 

 

左ケース側も。クラック入ってもげそうでしたので盛り盛り。

 

 

p9270235

 

 

ただ座繰りを入れるだけの簡単加工に見えますが?
段取りから数えると加工完了まで約3時間。
溶接前に穴位置の座標拾ったり、溶接作業の時間を入れると…
考えただけでイヤになりますからやめておきます。

 

 

p9270239

 

 

コレで全ての作業完了。
前回のカムブッシュ。ケースレース。ブリーザーホール。全てボーリング。
ケースレースは特別に用意しました刃物。使用するベアリングはSTDサイズ。
自分で言うのもアレですが、めちゃくちゃ手間暇かかってます。はい。

 

 

p9270241

 

 

作業中何回か組んだりバラしたりしましたが、毎回ビタっとくるシリンダーデッキ面。
加工精度よりも位置決め用のケースボルトと孔が良いんですね。
イヤイヤそれが普通だから。は、古いハーレーには通用しないみたい。

 

 

p9270244

 

 

まぁ、アレだ。やっぱ此処が地味に大変でした。

 

 

p9270246

 

 

ここまでで4ヶ月。やっとこさ終わりました。
組み手の事も考えながら作業しましたのでそこそこやり易いとは思います。
本当は1発引きたい。ってところもありましたけど。ソレはソレです。

 

 

p9270243

HDナックル46 徳島 #3

 

アンマッチング作業も終盤に。
拡大されていたカム下孔は製作ブッシュで。

 

 

p9130146

 

 

そのまま圧入しただけではカムカバーとのカムラインが出ませんので、カムカバーをそのままジグに。
あ、そうそう。ちゃんとリプロ品を使ってるので御安心を。

 

 

p9180193

 

 

したらばボーリング。
ブッシュ内径はこの為小さく作っておきます。

 

 

p9180194

 

 

周り止めのピンを打ち込んで完成。

 

 

p9180202

 

 

実際に使用するカムカバーを規定トルクで組み付け、手でカムがスルスル〜と回ればOK!
わざわざあんなジグを作るワケは。カムカバーのカムブッシュを入れ替えず、ケース側カムブッシュを入れ替える為。
書いてるだけで面倒になってくる作業です。

 

 

p9180201

 

 

タップが中で折れてその直ぐ上にネジ穴を立て直していたカムカバーボルト穴。
酷い修理のケツ拭きは何時もの倍以上時間かかります。が、其処は踏んだ場数と経験を生かし製作スリーブで対応。
周りになーんにもないようなところだったら考えずに作業できますが、肉薄且深さにも制限がある厄介なところは慎重に手堅くいきます。

 

最近多いのが個人で修理のつもりが破損させてしまうケース。
これ結構な頻度であるんですが全部断っています。弄り倒した箇所の加工修理ってものすごーく大変だから。
誤って破損させてしまったら何も触らず持ってきて下さい。そっちの方が早くて安いです。

 

 

p9180192

Z1

 

やっと晴れました今日は、ゴソゴソと内作して溜まっていたヘッドを順にブラストと地味な作業。
日曜日くらいたまには緩くね。

現在預かってるヘッドの1つ。
Z1のガイドを抜き取り。

 

 

p9150175

 

 

ガイド下孔も12.02mm〜12.03mmと良好。
恐らく1度も入れ替えられていないバージンヘッドに打ち込みますNEWバルブガイド。

 

 

p9160178

 

 

打ち込む前旋盤で外径を引き 内径をリーマー通します。
打ち込んだ後ガイド内径は締まりますので1日ほど置いた後再度リーマー通しします。
面倒でもコレをやらないと次に進めません。

 

 

p9170179

 

 

そしてシートカット。
当たり幅0.8mmが最近のマイブームとなっています。

 

 

p9170180

 

 

社外新品バルブは純正バルブより若干長く作られてるためステムエンドを研磨します。
そしてもう一つ。そのまま組むと上手くないステムコッター溝も対策しておきます。

 

 

p9170184

 

 

溜まったヘッドも来週には上がるよう頑張ります。

 

 

p9170185

無題

 

よくも雨が降りますね。
そろそろ晴れてもらわないと。

シートカット擦り合わせ。

 

 

p9030052

 

 

修正面研。

 

 

p9030051

 

 

K6A。
此方も修正面研。

 

 

p9080084

 

 

 

 

p9090100

 

 

オーバーヒートしたヘッドも序でに。

 

 

p9090101

HDショベル 徳島

 

 

シリンダーにトルクプレートを取り付けています。

 

 

p9080076

 

 

NOSシリンダーとNOSピストンの組み合わせで、一応新品ですが。
ピストン外径寸法のバラツキはノータッチで。

 

 

p9080077

 

 

こちらトルクプレートを掛けたRシリンダー。0が87.50mm シリンダー内寸法は87.328mmとなっています。
上の画像右ピストンをRシリンダーに組んだ場合クリアランスは0.03mm以下。
そのまま組み付けるのは気が引ける。

 

 

p9080079

 

 

ホーニングでクリアランス調整します。

 

 

p9080080

 

 

仕上がりはこんな感じ。

 

 

p9080082

 

 

ピストン頭にマーキングして発送です。

 

 

p9080083

HDショベル

 

3連休初日。
バタバタも落ち着いて?(残業で乗り切った。)見ないフリしていた工場の雑作業をボチボチと進めていきます。

先週辺りの作業ネタ。
バルブガイドを抜き取りガイド下孔を計測。
抜き取り時ガイド下孔を傷つけてしまうと修理しているのか壊しているのか分からなくなってしまいます。
ここはプロに任せるのが正解。

 

 

p9050057

 

 

ガイドのツバが座る部分の面出しも。
ハーレーのヘッドは座面が荒れているモノが多くこの部分もガイド入れ替えの作業で重要と。

 

 

p9050058

 

 

ぱっと見16バルブ?とはなりませんね。
ガイド下孔に合わせてガイド外径加工、使用するバルブステム径に合わせ内径を吸気、排気とクリアランスを替えてリーマー加工。をガイド外径と内径を同芯加工で。
とにかく手間暇かかってます。

 

 

p9060059

 

 

すると、シートカット前から芯がほぼ出ていますのでサラサラと削る程度。
シートカットしたか分からないでしょ?

 

 

p9080072

 

 

1340のヘッドですがガイド周りは1200なヘッド。
ガイドも1200のためステムシールも元々付いていません。
ステムシール仕様にする為、スプリングロアカラーを追加工して取り付け。

 

 

p9080073

 

 

セット長やらスプリング圧を確認して完成。

ヘッドは1340。バルブ周りは1200。変に違和感を感じるのは完全に職業病ですかね。

 

 

p9080074

F6A

 

久々すぎるフライホイール軽量加工依頼。
レスポンスの向上に直結します。

 

 

p9120136

 

 

7.0kgから約5.0kgまで軽量化。
かーなりゴリゴリ削らないと2.0kgは落ちません。

 

 

p9120135

 

 

バランス取りは業者様の方でされる為 自分の仕事は此処まで。

 

 

p9100126

パンヘッド

やっと手が空いたのでそそくさとバラシ始めました。

p9040054

オイル焼けで真っ黒なクランクケースとフライホイールを地味に洗浄。

p9140153

約1年ぶりに再会しましたヘッド。
バルブ周りを一新して良さそうですが?
リア側はオイルで濡れています。

p9140169

フロント側はいい感じ。

p9140170

Rシリンダー。
ピストンピンが飛び出した痕。これではオイルをかき上げてしまいます。
前回もこのパターンでスリーブを入れてます。
とほほ…。

p9140172

飛んでいったピンクリップはブリーザーギアの筒にスッポリと収まっていました。
旧いハーレーのエンジンはオイルが此処に集まるような構造です。エンジン内に異物があるとオイルと一緒に流れてきますので厄介です。

p9140173

触っただけでダメだとわかるクランクを分解。
クランクピン、両シャフトのナットが緩く雲行きは怪しい。
テーパー嵌合のクランクは分解時手を焼くことが多いが簡単に割れてしまいました。
フライホイール側のテーパー部が変形していなければいいが。

p9140167

続いてコンロッド。
ビッグエンドレースは剥離を起こしているためレース入れ替え。
スモールエンドブッシュも入れ替えます。

p9140149

フライホイールワッシャーも交換してしっかりカシメるとしましょう。

p9140156

予想ではシャフトは使えないと思いましたので早々に計測します。

p9140163

0.13mm。
コレだけ曲がりが出ていると使えません。許容範囲は0.02mm。
因みピニオンシャフトもダメでした。

p9140164

部品を洗浄しじっくりと観察しているとクラック発見。(悲)
そのままでは割れてしまうため修理か交換の方向で進める。

他にも頭を抱える加工修理は幾らもありますが、洋々な加工修理で路上復帰を目指します。

p9140152

HDナックル46 徳島

 

 

前回に続きナックルです。

忘れない内にタイミングホールのネジ修理。

 

 

p9090094

 

 

ヘリサートでもいいが ネジ山が少なく心細い。
ネジスリーブを入れておけば気持が安心です。

 

 

p9090096

 

 

前回に続きクランクケース レースベアリング合わせに。
両シャフト、使用しますベアリングの寸法を測定し NEWレース内径仕上げ寸法を割り出します。

 

 

p9100117

 

 

レース内径は元々小さく、圧入後は内径を先ほど計測した寸法まで拡大するようになっていますが、それに伴い両レースのラインを出す必要もあります。
此処から少し詳しく解説。
先ず、ピニオン側レース内径の芯を拾いダイヤル0に。

 

 

p9100119

 

 

そのまま上にスライドさせてスプロケ側。
ダイヤルは10を指し0.1mmズレていることになります。
いくらレース下孔のラインが出ていてもレース入れ替えによってクランクラインにズレが生じます。
これはマッチングケース、アンマッチングケース共に同じで レース入れ替え後はコレを修正するためケースラインを出す必要があるんですね。

 

 

p9100121

 

 

そしてここからが本題。通常ラインラッピングという作業でライン出しを行いますが、今回は機械加工で仕上げます。俗に言うケースラインボーリングです。
本来ラッピング作業とは元々の孔径、軸径を研磨して1/100mm以下で大きくしたり小さくする事ですから、芯がズレた孔をラッピングで芯を出すのは厳しいです。

 

 

p9100124

 

 

仕上げはこんな感じ。

 

 

p9100129

 

 

レース熱処理のためか硬いのなんの。
こんな事やるのウチくらいですかね。

 

 

p9100130

HDナックル46 徳島

 

少し前に紹介したアンマッチングケースの作業進展。
クランクケースのクランク軸をラインボーリング後、ケースに圧入されるレースのオーバーサイズが必要になります。
月日は流れ外注作業から戻ってきた新品レース。
もともとのレース外周寸法より0.6mmほど太らせています。
画像では分かりませんね。

 

 

p9090087

 

 

スプロケ側のみ肉盛りし、ピニオン側は新品レースのまま。

 

 

p9090085

 

 

ケースの厚みがショベル何かと比べると薄く、圧入するにも細心の注意と受け側もしっかりとしたジグが必要です。とにかく割れたら洒落にならないエンジンですから。

 

 

p9090098

 

 

SAY。

 

 

p9090105

 

 

続いて カムカバーのネジ孔ではなくブリーザーホールのボーリング作業から。

 

 

p9090106

 

 

機械にセットしますがこんなジグも使用します。

 

 

p9090107

 

 

ただ掘るだけ。なら楽なんですけどね。

 

 

p9090108

 

 

色々と確認しないといけない箇所の加工は考えながら加工しますし、神経も使うしで忙しないです。

 

 

p9090110

 

 

ええ感じ。にヌルンヌルンと周ります。

 

 

p9090111

 

 

最後はやっぱココですね。
カムカバーをケースに合わせてみると全然穴位置が合っていません。
カバー側から穴芯拾いエンドミルで突いてみるとタップの残骸が!(汗)
恐らくタップ立てている最中にへし折れて、そのちょっと上に穴を開け直したんでしょうね〜。
そんなことしてもカムカバーの穴と合うわけないのに。

 

 

p9100113

 

 

タップの残骸は叩き折って芯円になるまで少しずつ拡大。
こんな作業でも数時間かかるから割りに合わんと何時も愚痴っています。
ケツ拭き仕事は大変じゃけぇ。

 

 

p9100116