HD54PANHEAD#3

昨夜自分のやった仕事について色々と考えました。一言でオーバーホールと言ってもピンキリで、やり方考え方は10人入れば10通りのオーバーホールがあると思います。詳しい詳細は書けませんが今回自分にも非はあると思います。独断で判断した結果が招いたトラブルです。依頼されたショップさんもそうですが作業した自分もお金で揉めるのはいい気分はしません。但し、自分の中で内燃機屋として求められるのはあくまでも加工内容と加工精度。予算に合わせて加工方法を変え安く仕上げる。加工内容の変更ではなく加工方法ですから当然精度は同じにはなりません。エンジンを組み上げてからトラブルが出てしまうとそれこそウチみたいな小さな町工場は死活問題になりますから精度が出せる加工方法を選ばざるを得ないのです。それこそ何度も何度も試作を重ね来る日も来る日も毎晩1人で工場にこもり修理方法を模索しやっと自分が納得できる加工修理があったりもします。その為に犠牲にしている時間やヒトの事を考えると技術の安売りだけはしたくはありません。加工明細だけ見て高い!の一言で片付けるのは簡単ですけど修理屋を謳うなら内容で判断してもらいたいです。
1日置いて考えた結果、心苦しいですが悔しい思いしかなく最後の作業はこちらからキャンセルさせて頂く形を取らせてもらいました。何だか自分ばかり被害者面になってしまう内容ですが自分にも非はありますので。この経験をこれから活かして次に繋げれるよう努力していきます。

それでは自分が独断と偏見で作業進めましたブリーザーホール。
このくらい深いキズだとオーバーサイズでは対応できません。

鉄ボディのブリーザーギアを使用するとケースがアルミで出来ていますのでどうしてもケース側がキズついてしまいます。
硬度のある合金材料でスリーブを製作。

圧入後再度ボーリングして完成です。
圧入代やスリーブの寸法にもノウハウがあり、ただ突っ込めばいいというわけではありません。
割れやすい部分ですから。

1度アルゴンで埋めたカムホールはブッシュ製作圧入後カムカバーラインと合わせボーリング仕上げ。
市販されているブッシュは内径がデカ過ぎるためボーリングでは取りきれません。リーマーなら下穴に沿っていくため取りきれますがライン精度はボーリングには到底及ばず。皮肉ってガキの工作と呼んでいます。

少し見ずらいですがカムシャフト ブリーザーギアを取り付け回しています。
カムカバー取り付けノックピン基準完璧な位置出し。其れに合わせ専用に作った治具がなければこれはできません。

“HD54PANHEAD#3” への 2 件のフィードバック

  1. Head turners より:

    コメントありがとうございます。
    皆さんがブログを見てくれている事が励ましになっています。
    作業依頼の際は気軽に問い合わせ下さい。

  2. 清十郎 より:

    いつも楽しく拝見させていただいてます。いろんな内燃機屋さんのブログを見ていますが とても丁寧に、まじめに取り組んでいらっしゃるのがわかります。
    たまにへこむこともあるでしょうが 自分のショベルのボーリングの際には是非お願いしたいです。

コメントは受け付けていません。