通常加工修理とは異なる、特殊な加工修理の作業を進めていました。
今月もやたらとハーレーのエンジンが来ますけど、その中でも一番しんどいパンヘッドです。
ブリーザーホールのスリーブ加工修理という事でしたが、いざ来て見てビックリ。何とも怪しい溶接痕です。
はい。割れてます・・・。 序に言うと下の奥の方も割れてました。 ハマリ仕事あざす!(笑)
たぶん半分以上割れてしまったのを溶接盛り盛りで何とか作ったと思いますけど。このままだとスリーブすら入れられませんから、怪しい溶接部分は全て削り取ってやり直す事に。
遠回りかと思うでしょうが、これが一番の近道なんです。
という事で溶接に入る為の下準備。今回はこんなの作りました。
AC4C材。アルミ鋳物です。 規格に丸棒がない為角材からの削り出しでした(汗)
1個作るなら3個も同じ。つーことで2個は在庫。出来れば在庫の出番が来ませんように。
製作したアルミスリーブを圧入するのにブリーザーホールを拡大ボーリングします。
そしてアルゴン盛り。
ブリーザーホールはオイルラインですからー、分かる人は分かると思いますが。アルミメチャクチャオイル吸ってます。
バチバチ沸いちゃって画像観たくなります。それお、盛って。削って。盛って。さらに削って…。
ざっと6時間くらい?
できました。漢盛り。
やっとこいい感じの仕上がり。
後日。
機械加工へ進みます。
弊社製作専用治具にて孔位置を正確に拾い再孔開け。
画像は仕上げ工程の精密ボーリング加工中。
ブリーザーホール内径を仕上げた後、カムギアの逃げ加工して完成。
溶接ビードは残しまして、当たるところだけ削ってくれ。という米国式。
たぶん大丈夫。たぶんね。
奥の丸いオイル孔分かります?
コレ、スリーブ圧入する時見えないし、圧入した後孔位置がズレてないか確認出来ないんです。
溶接して〜更に孔開けてからじゃないと分からない。あとから溶接すると確実に内径歪むし、ここは鍛錬したカンと度胸がキモ。なんてったて1発勝負の世界で飯食ってますから。
カムをちょっくら拝借して簡易的ですがブリーザーギアとのバックラッシュの確認。
これならええでしょ。という感じに仕上がったので発送です。