HD ショベル カムギアブッシュ 製作

市内のハーレーショップ様からの依頼です。
腰下カム回りからの異音がするとのことでしたので、早速、カムシャフトの寸法とブッシュ内径を計測。
クリアランスは、0.05mmとマニュアルの規定値から外れていましたので、ブッシュ入れ替え、製作に入ります。

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画像左側がカムギアブッシュになります。

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プレスにてブッシュを抜きとり、仕上げのボーリング、ホーニングが絡むためオイルシールも抜きとります。

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カムギアの元穴の内径+圧入代で、ブッシュ外径の寸法をだし、内径をカムシャフト+ボーリング取り代で仕上げていきます。
朝一の旋盤はこのように光が邪魔して非常にやりずらいです。機械搬入時にここまで計算できませんでした。

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左が今回製作したモノ。右が以前入っていたブッシュです。オイル穴の位置決めピンがありますね。
もともと入っていたものは、圧入代がほとんどありませんでした。製作した方は、しっかりと圧入代をとってあるので、ブッシュがクルクル回ったり、ガタついたり等のトラブルはなくなりますね。

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材質はリン青銅で製作しました。面圧を高めるために、ブッシュのツバの部分を純正より若干大きめにつくってあります。

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カムカバーの面を基準に簡易ジグにて、垂直に圧入しました。

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ボーリングの前に、オイル穴をあけます。
イケールを角度ジグにのせ、イケールにカムカバーをセットし、オイル穴に対し垂直に穴をあけていきます。

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オイル穴をあけたら、ブッシュ内径をボーリングで芯円に仕上げていきます。
圧入したブッシュは、かならず歪むためボーリングで芯円加工は必至です。
その後、ホーニングにて、クリアランス0.02mmで仕上げました。
カムをオイルにつけて差し込むと、ヌルっと、自重で落ちていきます。
この瞬間がたまんないんですよね。カムを差し込んでスコスコではいけません。
ありがとうございました。

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