前回に続きクランクシャフト。
元々のコンロッドは状態が酷く修理する手間と費用を考えコンロッドはアッセンブリーで交換。
ベアリングもセットとなっているがそこは要確認。組まれていたビッグエンドレース内径に対しクランクピンとベアリングのクリアランスは0.04mm。初期磨耗を考慮すると少々緩めなのでオーバーサイズベアリングでクリアランス0.03mmに変更。
コンロッドを交換したので1度クランクシャフトを仮組みしサイドスラスト量を計測。
新品コンロッドを使用するとサイドスラスト量はほぼ0に。そこで、使用するフライホイールワッシャーの厚み1.6mm。サイドスラスト量を0.3mmとし、片側0.25mmフライホイールワッシャーの溝を追加工。
そして本組みへ。
パンヘッドの前期モデルは今まで苦労させられていて、当然今回もすんなりと芯がでるわけもなく悪戦苦闘となりました。そこに問題発生。0.3mm隙間ができる筈だったコンロッドサイドはナゼか0.05mmに。
クランクピン穴が脆いのか?組み立て→分解を繰り返すと徐々にフライホイール間が詰まってくるようで、結局コンロッドサイドを片側0.1mmずつ研磨してクリアランスを0.25mmに。テーパー勘合のクランクピンをナットで締めあげるという構造なのでピン穴が変形していたりすると厄介です。
以前にも同じ症状のクランクがありましたが、その時はフライホイールを交換し難を逃れましたからコレでダメならフライホイールも交換かなとダメ元で再度組み立てへ。
もがきにもがいて3日。ここが限界でした。
0がいいんですよ。ほんとは。だから狙いにいくんですが、修理だと部品の状態で左右されるとこなのでこればかりはね。
コンロッドサイドは0.15mm。
ただ、この後ですよ。コンロッドサイドが詰まった約0.6mmがまた自分の頭を混乱させるのですが続きは次回に。