MAZDAキャロル(2) 和歌山

キャロルのシリンダーライナーの製作が終わりました。
ターカロイ鋳鉄材からの削り出しです。

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湿式ライナーのためOリングが嵌まる溝を切っています。
ここのOリングで冷却水がエンジンオイルに混入するのを防いでいます。

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シリンダーライナーは焼き嵌めではなくこんな感じで常温でスポンっと抜ける嵌め合い。

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ブロックデッキの下面を1.0mm研磨する指示でしたが、あまりにも歪が酷かったので上面を最小に削り下面との平行を合わせました。
当初はデッキ単体の依頼でしたが確認作業をするのにブロックが必要になったため急遽送ってもらい計測に邪魔なスタッドボルトとブロックの洗浄を行います。

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洗浄の終わったブロックにデッキとシリンダーライナーを仮組みして測定中。
わざわざ面倒な事をするのはシリンダーデッキ面よりライナーのツバが飛び出していないといけないからです。
デッキ面からライナーツバの突き出し量はマニュアル値0.02mm~0.06mm。
さらにこれが曲者で各気筒の突き出し誤差を0.05mmに押さえろ。とマニュアルに記載されています。
デッキ面を固定してバリバリっとフライスでやっつければいいじゃん!と思われますがクランプすることでデッキ面が若干歪む為、クランプを外した時に各気筒で突き出し量がバラついてしまう…。
あまりにもバラ付きが多いと水漏れや圧縮漏れの原因になるためなんかいい手はないかと考え中です。

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とりあえずライナーの突き出しは忘れて製作したライナーを支給されたピストンに合わせてボーリングしていきます。
奇しくもCB72のオーバーサイズピストンです。

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ボーリング。
からの。

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ホーニングで仕上げ。
頼まれていた加工はこれで終わりですがデッキ面の突き出しをどうにかしないといけませんね。
治具作ってどんなもんか試してみようと思います。

ピンチをチャンスに変えていこう!と自分に言い聞かせました。

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