PANヘッド お詫び

一度納品したヘッドでしたが、気になっていた箇所も直して欲しいとの事でもどってきました。
何がダメかというと、赤くなっている部分にクラックがあるのですが、そこからポートまで繋がってしまっています。
前回ポート内を肉盛り修正したときに、鋳肌の下に隠れていたクラックが出てきたのですが、どうやらここが上まで繋がってるようでした。業者様と一度電話で詳しく説明しましたが分かりやすいようあえてここで紹介します。

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とりあえずバルブ突き出し量が規定値いっぱいだったためシートリングを入れ替えてから溶接しやすいようにバルブガイドを抜きクラックの部分を肉盛り修正します。
画像なんかだと簡単そうに見えてしまいますが、この年代のアルミはそーとー手ごわいです。
不純物や、油なんかが混ざっていますので一筋縄ではいきません。もちろん溶接による熱の歪もあり、いたずらに溶接すると、あっちこっち数字が動きどうしようもない状態になります。

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そして何十時間かけた結果が画像のような状態です。レッドチェックしていますが、溶接の熱による歪と母材のアルミのもろい箇所がひっぱられて前回ボーリングしてクラックを取りきった箇所に再度クラックが走りました。

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ポート内はガイド穴周辺ではなくポートの壁からつたってきています。溶接不良というよりかは母材のアルミがスッカスカのためどうしても巣をつたってきてしまいます。削ってまた盛れば?と簡単に思うかもしれませんが、何度も何度もやればクラックは治るかもしれませんが、そのころはあちこち歪んでヘッド自体使い物にならなくなってしまいます。
今回は手を尽くしましたがここまでのようです。お力に添えなかった事に申し訳ないと思っています。
純正のヘッドに拘る気持も十分わかりますが、手間と費用、リスクを考えるとリプロ品や中古の良品を修理するほうが確実なような気もします。

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