PANヘッド62 千葉

誠に勝手ながら本日8/12から8/16までお休みとさせて頂きます。

夏休みの宿題の続きです。
ケース合わせまで作業が済んだので1度仮組みしてどのくらいケースのクランク軸の芯がズレているか確認します。

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あれだけ両ケースが合わないとなると相当ズレてるんだろうなぁ、と思ってましたがやっぱりかなりズレています。そりゃそうだろ、アンマッチングで年式も全然違うんだから当然ですよね。

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とりあえずピニオン側のレースを抜き取りケースをまた仮組みします。
スプロケ側のTIMKEN下穴の芯を基準にボーリング。

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全然刃物が当たってくれなくて芯が出たころには1.0mmオーバーサイズに。肩肉0.5mm芯がズレていました。社外のオーバーサイズレースでは対応できないためスリーブを作る事にします。

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の前に、スリーブを入れるためさらにレース下穴を拡大してスリーブの肉厚を確保します。レフトケースは一度外してボーリング。

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鉄の鋳込み部分は残してスリーブを入れるため、普段うちでシートリングに使ってる材料から削り出します。熱膨張が少ないため締め代管理がしやすいです。

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こんな感じ。
レース内径は圧入時に歪む事を考えて取り代を残しています。

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鉄に鉄を圧入するので焼き嵌めではないですが圧入時に下穴を傷めるのが嫌なのでケースを温めて圧入。レースの周り止めとオイルラインも忘れずに開けておきます。

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そしたらもう一度ケースを組んでボーリング。STDサイズのレースに合わせます。もうね、組んではバラし計測またバラしと手間かかりますハーレーは。

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完成です。
これでスプロケ側とピニオン側の芯が出ました。
ダイヤルゲージで再度確認するも当然OKです。

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あとはシリンダーベース面、エンジンマウントを研磨して合わせればマッチングケースとなります。しかし、この時点ではまだこのケースが使えるとは断言できません。ラインボーリングの際0.5mmも芯がズレていましたからこのズレがピニオンギア、カムギア、サーキットギアの関係に影響が出るよなぁ。と考えると頭が痛いです。この手の加工はその後どうなったのか加工屋の自分にはわからないんですよね。今回は自分が加工して組み上げるのでちょっとドキドキです。

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たまたまですが色鮮やかなめでたいケースに。このまま何もなければいいのですが。休み明けに部品発注して再度組み立て確認かな。

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