個人のお客様持ち込みのZ1000MK
去年の暮れからお預かりしているエンジンです。
他に現在3機ほどZエンジンを預かっていますのでZ祭りでいいでしょうか?(笑)
オーバーホールでまずやる事といえばカーボン落としです。
現状を把握するために必要な作業でこれをやらないと仕事になりません。
ガイド周りのカーボンをしっかりと取り除いてからヘッドを温めてガイドを抜きます。
ガイドにカーボンが付いたまま抜くとロクな事がありませんので。
バルブガイドはオーナー様支給品のKAWASAKI純正品を使用します。
今回はOKでしたがZ系のエンジンは一度オーバーホールされているモノもあり、オーバーサイズのガイドが入っているケースがあるためせっかく用意したガイドが使えないって事もあるため注意が必要です。
心配な場合はオーバーサイズのガイドを用意して頂くといいと思います。
ガイドを焼き嵌めたらシートカット。
画像はカット前。
カット後。
内径の余分な肉を削って当たり部分は最小で追い込むような感じで仕上げてあります。
当たり幅はこれでも0.8mm。もともとは2.0mmくらいありましたから細く見えていますがこれが正常です。
シートカットも終ってヘッド面研といきたいところですが、もう一つやる事が。
ヘッドカバーを留めるM6のネジ部にスリーブを入れて修理されていましたが浮いてきてしまっているためしっかりと直しておきます。
こんな感じで一度削りとってカムキャップのノックピンから位置を正確に出してエンザート。
だいぶ位置もズレていましたがこれでOKです。
そして仕上げはヘッド面研。
下の数字が今回の面研量です。ほんとは0.10mmで平行と面が出ていましたが
腐食がかなり激しくてここまで追い込みました。ちょっと残っていますが問題ないレベルです。腐食があるヘッドっていつも悩むんですよ。取り切るのは楽なんですが削る量にも限界がありますからねー。次のオーバーホールの事を考えて最小に抑えておくほうがいいかなぁなんて考えて加工しています。
まぁ、最悪ピストンの頭カット、リセス増し切りすればいいだけなんですけどね。
本日シリンダーのスリーブ入れ替え作業が完了しました。
明日以降ご来店お待ちしています。
私のZの部品だ、シリンダーも手間掛けますが、よろしくお願いいたしますね。