Z1000MK2 シリンダーライナー入れ替え

あっという間に、今年も残すとこあと一カ月です。
年内に仕上げたいというお客様の依頼がここにきてバタバタと入ってきています。
加工内容によって変わってきますが、年内にオーバーホールを済ませたいお客様、今週含めて2週間以内でしたら年内に加工完了でお渡しできます。あまりにも加工依頼が増えた場合、年内加工は途中で締め切り致しますので、その時はまたブログのほうで報告致します。

業者様からの依頼でZ1000MK2のシリンダーライナー交換です。
2番シリンダーのみの交換予定でいましたが、抜く際に温めていると、見る見る内に4発とも抜けてきていたため、急遽4発とも交換する事にしました。KAWASAKIのZは、シリンダーのライナーに締め代がほとんどついていないのが多いので、ボーリング時にライナーが回って加工できないなんてよくあります。

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抜き取ったシリンダーの内面。
芯円、円筒の寸法はいいのですが、ライナーの外径とおなし寸法です。
そう、締め代0です。

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純正でライナーにオーリングが入っていますが、まったく効果0です。
画像で見てもらうと、オイルがまわっているのがわかります。
オイルがまわっているという事は、エンジンが温まったらシリンダーは膨張するので、ライナーの締め代は0.シリンダーの中でライナーが踊ってしまってるという事なんですよね。締め代をちゃんと付けてやらないと、ライナーの熱をシリンダーに逃がせないので、いくら精度のいいボーリングしても無駄になってしまいます。
ビックリされると思いますが、9割方のZはすべてこのような状態なんです。

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調子のよいZを作るならシリンダーライナー交換は必至です。
ライナー交換は手間と費用がかかりますが、その分いいエンジンになると思います。

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