Z1000MKII

 

以前エンジン単体でオーバーホールしたMKIIが白煙トラブルで入庫。
オーバーホール直後は白煙が出ていなかったのと、オーナーさん自身で1度バルブステムシールを交換したが変化ナシという事なので、今回は車両ごと預かりました。先ずはエンジンを始動させ現状確認します。キャブの燃調がかなり濃い状態だったようで始動に手こずりましたが、エンジン始動出来る程度にキャブの調整して難なく始動。始動後エンジンが少し温まってくると白煙と黒煙が確認出来ました。もう少しキャブを煮詰めてからでもよかったとは思いましたが、圧縮を測ると2番だけ数値が極端に低かったので画像の状態に。ピストンには傷もなくあたりすら付いてないキレイな状態が確認できました。リングも手に取った感じでは特に異常がある感じはありません。

 

 

念には念を入れヘッドのバルブ周りをレッドチェックします。バルブガイドの入れ換え作業時には必ずレッドチェックして納品しています。おかげで手直しなんてここ何年もやっていないから正直自信はあるけど、人が作業していますから万が一って事も考えられます。

 

 

ヘッドを温めて1日放置。

 

 

問題なさそうです。
という事でお次はシリンダーです。

 

 

ぱっと見ボーリング仕立てのシリンダー。ウチでやっているので当然ですね。
オーバーホール後600kmほど走行した状態です。

 

 

縦傷1つありません。これなら文句無しの状態ですね。
丁寧な慣らしのおかげかなあ?キャブはダメだけど。

 

 

スカート付近にほんの少しあたりが付いています。

 

 

見た目だけで判断するのはお粗末なので見落としがないよう入念に計測します。

 

 

結果はボーリング時との寸法変化は5μとなりました。
分かりやすくすると5/1000mm。エンジン加工作業には特に問題がない結果です。

 

 

となるとやっぱアレかな?カワサキあるあるのプロショップさん泣かせのやつ。今の所思い当たるのはその位です。
画像はペーパーウエスで拭き取った状態のピストンです。カーボンが付いていないんです?おかしいでしょ。