PANヘッド バルブシートカット

パンヘッドを集中的にやっつけていきます。
ガイド穴を使用するバルブに合わせリーマーで調整したら、シートカット。
インテーク側は溶接がからまなかったためいいところに当たりがきます。

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いいんじゃないでしょうか。
すでに入れ替えられていたバルブシートはなぜか特大のアルミ青銅が入っています。
こんなに大きくザグらなくてもと思いましたが。なにか意図があるのでしょうか?

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フロント、リアでバルブの突き出しが大きく違います。
フロントは一回、リアは二回ほどシートカットされていました。なんで?
せっかく突き出し揃えてあげようにもリアは基準値一杯のためしぶしぶ良しに。

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こっちがフロント。
ね?デカイでしょシートリング。

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リアはよーく見るとフロントとカット形状が違います。
また、シートリングが斜めのため若干偏芯しています。
うーん。しっくりこないよな。カチッと作りたいのに!

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最後は面研ですが、ここの凹みきになるなぁ。
サクッとは終わらないのがハーレー?

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PANヘッド ガイド入れ替え

はまりにはまったガイド回りのクラック修理。
なんとか形になりました。

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クラックが一本残っていますが、ガイド穴に達していないため今回は残しておきます。
アルゴンで溶接すると引っ張られた弱いアルミの部分にクラックが入り、盛ってはクラックの繰り返しになるためです。
ガイド穴に走っていたクラックはオイル下がりの原因になるので要修正してあります。

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ガイド穴ボーリング後、バルブガイドの外径をボーリングしたガイド穴に合わせ加工していきます。

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元々パンヘッドはステムシールがつかないため、VITONステムシールが入るよう頭を加工。
ハーレー業界では、ステムシールの材質にこだわっているようですが、オイル下がりの基本は、しっかりと締め代を付けてガイドを入れ替えるのが基本であり、ここがしっかりとできていなければどんなステムシールを使おうが無意味です。

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ガイド製作が終わったら焼き嵌めてレッドチェック。
ガイドを入れてる時に感覚である程度わかりますが、いちお目視でリークチェックするため欠かさずやっています。
後々、ガイド入れ替えしたのにオイル下がりしているってパターンもなくはないですからね。

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BSA シリンダーボーリング

前回の続きです。
新規で入れ替えるスリーブを製作しました。
左が削りだして製作したもので、右が以前使用していたスリーブです。

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切りカキも元々使用していたスリーブと同じように機械加工で仕上げています。
リューターでやってもよかったのですが、機械加工のほうが見た目がカチッとします。

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締め代をちゃんとつけ焼き嵌めが終わればボーリングです。

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面取りを忘れずに入れたらホーニングで仕上げ。

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リングギャップをお任せとの事で頼まれましたが、BSAの過去加工データーなどなく、調べてもパッとしないため
調べてだめなら知っている人に聞くのが一番です。英車に詳しいショップ様といえば一度あいさつに伺わせてもらったROLLING’S様です。ダメ元で聞いてみたところ丁寧に教えて頂けました。
普通メシのタネを一度しか会ったことのない人に教えるのってまずないですよね。
非常に助かりました。この場を借りてお礼を申し上げます。

うん。これならバッチリですね。ありがとうございました。

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ガンコート塗装

車両預かりのZ400FX。オーナーの首が伸びきる前に今回は外注様でブラストをお願い致しました。
本来ならうちでやるんですが、猫の手も借りたい状況のため今回は見送ります。下地処理からこだわってやりたかったんだけどなぁ~。あ、ちなみに外注様だと金額はかわってくるので覚悟しておいて下さい。(笑)
時間もらえればうちでやっちゃうんで格安なんだけどなぁ。

カッサカサになっていた純正塗装もブラストでキレイになって帰ってきました。

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サビる前に塗装を済ませたいので、フィンの隙間に潜んでいるメディアの残りをしつこく除去し、徹底的に脱脂していきます。

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これまたものすごーく時間のかかるマスキングが終われば、今回のメインイベントGUN-KOTEです。
ガンコートってなによ?って?
アメリカ軍の指定塗料になっていて塗装面の表面硬度があり、耐薬品性、高放熱効果があるコーティングです。
旧車に乗っている方なら一度は耳にしたことがあると思います。
こだわりのエンジンなら塗料もこだわったモノを。と、考えるのが自分です。
特に空冷エンジンなら絶大な効果を発揮してくれるんではないかと思っています。

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塗装作業はプロにおまかせ。うちに出入りしてるT君です。
塗装にはかーなりうるさいので、もうまかせちゃってます。
いい仕上がりでしょ!

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写真だとこの微妙な艶加減がわかりずらいなぁ。
うーん。イイ!

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工場での撮影なんで、太陽の下にもっていくともっとGOOD!

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オーナーに早く加工しろ!なんてせかされそうです。(笑)

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赤いシリンダーはやっぱカッコイイ!
個人的に大好物です。

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このテロッとした感じに思わずニヤリ!

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あとは慎重に加工して塗装にキズがつかないよういいエンジンに仕上げていきます。

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BSA スリーブ入れ替え

これまた歴史を感じるシリンダーがやって参りました。
英車のBSAで御座います。
スリーブ入れ替えボーリングの加工依頼です。

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いい勉強材料がきたと、そこら中計測し、データーとして採っておきます。
だって英車なんてほとんど加工で入ってこないですからねー。
トラカブって言われてるヤツ?
うーん勉強しておきます。

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スリーブを抜き取ったので、スタッドを炙りながら恐る恐る抜き取ります。
9割へしもげると予想していましたが、意外にもあっさり。

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シリンダーの下面もクランクに対し垂直にボーリングするため最小研磨を施します。
うーん。歪んでますね。
ハーレーと同じ匂いがします。(笑)

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シリンダー上面も面研し、新たにスリーブを製作して焼嵌めしていきます。

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PANバルブガイド穴修正

だいぶお待たせしているPANヘッド。
ゴールが見えて参りました。
もうねー苦労しましたよ。アルミの材質が悪くなかなか溶け込めないし、不純物は混ざってるはで、シビレました。
一回、二回、どころではなく、何度も盛っては削りを繰り返し、手ごたえありの画像をぱしゃり。

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続いてガイド穴のボーリングです。
角度をだしてガイド穴を垂直にするんですが、これがまた大変なんですよ。
シートリングを基準にしたり、ガイドのツバが座る部分を基準にしたりと色々やり方はあるのですが、面が出てなかったりすると基準をどこにもっていこうか悩むんですよ。
ハーレーは手ごわいです。

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ボーリング中。
いい感じ。15.0mmでいけちゃいそうです。キズは縦キズではないので最小まで取りきる事にします。
あとは、ガイドを入れて、シートリングのど真ん中にバルブがくればOKです。

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うちのダイヤルをフルに使う加工って今の所ガイド穴のボーリングぐらい。
そのくらいうるさい加工って事ですね。

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フライホイール軽量加工

仕事がとぎれないという事はとてもありがたい事です。が、加工待ちで待たせ過ぎるのはあまりよろしくない。
旋盤が一日あく日を見計らって、作業に入ります。
うちでは、超久しぶりのフライホイール軽量加工です。

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抜きどころ満載ですが、この手のフライホイールは抜きすぎると、逆に回らなくなるので、適度に抜いていきます。

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どの部分をどのくらい削ると何g軽くなるって事を以前加工した時にメモっていたので何も考えずバリバリといきます。

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7キロあるフライホイールを5.5キロになるまでひたすら抜いていきます。

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旋盤だけでもいけましたが、フライスでバリバリと削って完成です。
普通すぎる?(笑)
目標値まで抜けたのでOKでしょう。
ありがとうございました。

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GS400 シリンダーボーリング

今日は、普段より暖かく作業しやすいです。
昨日、オートワークスフレンズの社長が早速エンジンOHしたてのGSで遊びに来てくれたので動画も撮ってみました。
後ほど、動画のほうは紹介します。

ピストンは0.5mmオーバーサイズのモノが手に入るためまだまだGSは大丈夫ですね。
部品があるうちにやっておくのも手ですよ。

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シリンダー下面を基準にボーリングです。
上面からではクランク対し垂直にボーリングできません。
平行度が出ていればまた違いますが。手間でも私は下面基準で垂直にボーリングします。

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ボーリングが終われば、ホーニングで仕上げです。
うん。いいでしょう。

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そうそう。最近ボーリングとセットで最小面研をオーダーするお客様が増えております。
なんてったってお得ですからね。シムでレベル調整してから加工するので、歪み+0.01mmで切削可能です。

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うん。いいできです。
これなら白煙吹くエンジンとはおさらばです。

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こちらが、当社で加工したエンジンです。社長は、ごきげんなエンジンでルンルンです。
静かに滑らかに回る様子をご覧下さい。

F6A バルブシートカット

昨日の続きから。
ガイドを焼き嵌めした後、バルブのステム径に合わせリーマーを通し、バルブガイドとバルブとのクリアランスを確保します。
したら、シートカット。

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レース用に使用するため大外当たりでいきます。
当たり幅は0.9mm。
バルブフェース面も研磨済み。

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最終仕上げは、ヘッド面をさらっと面研すればできあがりです。

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F6A バルブガイド入れ替え

車ネタが久しぶりに続きます。いっつもバイクばかりだから新鮮?
またまたヘッドですが、一度当社でバルブガイドを抜き、業者様のほうでポート研磨を済ませて帰ってきました。

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うーん。いいですねー。
やっぱ普段からポート研磨してるだけあって手慣れてますね。

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自分よりうまいし、はやいので、正解です(笑)
あ、そうそう。F6のワンカムって排気ポートをがっつり削ると、抜けすぎてあんましよくないみたい。

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バルブガイドは純正品を使用します。
オーバーサイズなのでバルブガイド穴に合わせ外径を加工します。
F6はキレイにガイドを抜くことができるので、ほとんど個体差はないです。

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バルブガイドの加工が終わり焼き嵌めの準備です。

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バルブガイドを打ち込んだら、レッドチェックで漏れの確認です。
締め代がちゃんとついていないと、燃焼室側に赤い液体が浮かびあがってくるので、ドキドキです。
もし、漏れてたらオイル下がりと一緒なので、ガイド製作からやり直しです。
しっかりと締め代をつけて加工していればまったく問題ないのですが、これやらないと自分はしっくりこないのでいつもガイド入れ替え時はやっています。

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1日じっくりと冷まし、現象材を吹き付け確認。
目をこらしながら必要にガイド回りをチェック。
今回もOK!

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