先ずは年末年始のお知らせ。
27日で年内営業終了。年始は4日からスタートします。
作業依頼は随時受け付けていますのでよろしくお願いします。
KH400のシリンダーボーリング作業。
ボーリング作業でどうしても出てしまうポート淵のバリ取りも入念に。
シリンダー内は仕上がっていますからリューター先端に全神経を集中させます。
ホーニング仕上げは少し粗めです。
2サイクルはこのくらいがいいトコかな?
少しばかりおあずけ状態でしたが、合間をみて進めていました。
肉盛り研磨して太らせたロッカーシャフトに合わせロッカーボックス内径を仕上げていきます。
別で問い合わせを頂いたロッカー周り修理の件がある為少し細かく紹介していきます。
ダミープレートを使いロッカーボックスがエンジンに組まれた状態にして加工します。
今回は上下セットの狂いが無かったためホーニングで0.05mm拡大してクリアランスを合わせました。
ロッカーボックスは元々上下1セットで加工されている為、どちらかを他の物と交換する事はやってはいけません。
クランクキャップやカムホルダーと一緒です。
仮に別の物が付いていた場合、面研後ボーリング加工で再生も可能です。
が、限度がありますので現物確認が必要です。
再生したロッカーアームシャフトをのっけ。
組み付けオイルをムダに塗りたくるのは昔からの癖です。自分はオイル孔の中まで入れています笑。だって焼付くのは本当に一瞬オイルが切れただけで逝きますから。
規定トルクで締め上げると渋いです。でもそれでいいんです。その位じゃないとオイルが膜にならず流れてしまいます。
うちはちゃんとボアゲージで計測してますが、プライベーターの方は、クランクメタル合わせに使うプラスチナゲージで確認してもいいかも。
そんな感じで洋々なエンジンに成りました。
この年式って色々とトラップだらけで苦手です。確認作業しながら組んでいく為時間かかりますね。
お待たせしました、週末発送しておきます。ありがとうございました。
バルブガイドを抜き取りガイド下孔を修正しています。
ガイドが抱き合う部分が短いショベルはハンドリーマーで修正するとバルブが倒れやすいです。
バルブ挟み角を変化させず、機械加工で修正。
たかが4本ですが寸法がバラバラなのもハーレー?
下孔を計測してガイド外径に締め代が付くよう加工していきます。
ガイド外径と内径を加工して焼き嵌め。
ガイドボスにクラックがありましたのでレッドチェック。
いい感じです。
どこぞの誰かさんがいちゃもんつけるYAG溶接で修正しています。
文句無しに最高です。
バルブはフェース研磨してこんな感じに。
シートカットも前工程を機械加工で修正していますから最小でキマリます。
言われてないですけど見ちゃいましたからやり直しますよ。
ヘリサート下孔がグズグズ。すぐにでも飛び出す感じでしたので此方のタイプに。
これでパリっとするでしょ!
前回の続き。
オイルポンプの組み付け。シャフトブッシュを入れ替えたので芯出し作業も容易かと思われたが、ボルトナットを締めつけるとドライブギアがほぼロックします。
シャフト先端がボディ側に当たっていたのと、ポンプボディよりギアが厚く飛び出していた為ケースに干渉していました。
シャフト先端を0.3mm、ギア厚を0.1m研磨。
指一本でクルクルと回るまでに丸1日かかる。(汗)
ここが渋いまま組み上げると腰上を組む気にならない位クランクの回りが重くなります(経験済み。)
左から カム、サーキットブレーカーギア、アイドラーギアのシム、カラー?を製作。
元々使用していたシムではマニュアル基準値をかなりオーバーしてました。
組んで測定バラし、組んで測定バラし…。を何度か繰り返しながら使用済みのガスケットを用いてエンドプレイを調整します。
クランクを手で回すと明らかに違いが分かりますよ。
腰下完成。
今週中に腰上もいきたいところですが、他エンジンの加工も溜まっている為頑張ります?
まずは、色々とお騒がせしました。
そして電話、メールでご連絡頂いた各方面の方々へ、ありがとうございました。
ブログに直接コメント下さった方々もありがとうございます。取り敢えず元気にやっています。
ショップさんと直接会って話しましたが…ひらりひらりと上手く交わされ最後には、3000回転が頭ウチのハーレーにうちの加工精度は必要ないとの事で決着。逃げるには苦しいし、メカがそれ言ったらおわり。言い返す言葉も出ない感じでした。
気を取り直していきましょう。
少し間が空いてしまいましたが作業のほうは進んでいます。
磨耗したカムカバーブッシュ類は打ち替えてライン仕上げ。
偏磨耗したロッカーアームシャフト。
通常は社外新品に交換ですが、オーナーさんの熱意に答えます。
溶射肉盛り後シャフト研磨で再生。
ロッカーボックス内径に合わせシャフト外径寸法を仕上げましたのでロッカーボックス内径をホーニングでクリアランス調整すます。
これは試作で何度も苦労した修理です。
昨年ピストンピン飛び出しによりスリーブ打ち込み修理しましたシリンダー。
フロントシリンダーがまたしてもピストンピン飛び出しという惨事に見舞われましたので再度打ち替えます。
リアシリンダーは幸い縦キズのみでしたからフロントをリアに合わせるためピストンサイズは010オーバーで。
ウチでスリーブ加工したシリンダーは何度でも入れ替え可能。
ですが、今回のような事になると正直凹みますよね?なのでシリンダー外したら必ずコンロッドの状態を確認して下さい。
ガタがあるとピストンに影響が出るためシリンダーもタダではすみません。
腰下はこのネジ修理を済ませば組み立てに入れます。
クラックや歪みもなく程度が良さそうなクランクケースでしたが、よくよく見てみるとネジというネジがダメダメ。
ケースボルトなんかはサイズバラバラ。肝心の位置決めボルトはスカスカでしたので新調しておきます。
レフトケースTIMKENベアリング入れ替え。
あらかじめベアリングを温めておくとストンと落ちていきますけど、最後は専用工具で確実に押し込んでおきます。
クランクピンナットロックワッシャーとボルトも新調。
3000回転しか回らんエンジンですけどカムギア、ピニオンギアのマッチングを確認します。
この後は、ネチネチ系カム周りの調整をし洋々なエンジンに組み上げていきます。
決まり文句のハーレーだから。パンヘッドだから。はうちには関係ないね。
あんまり酷いのは別だけどさぁ。
昨夜自分のやった仕事について色々と考えました。一言でオーバーホールと言ってもピンキリで、やり方考え方は10人入れば10通りのオーバーホールがあると思います。詳しい詳細は書けませんが今回自分にも非はあると思います。独断で判断した結果が招いたトラブルです。依頼されたショップさんもそうですが作業した自分もお金で揉めるのはいい気分はしません。但し、自分の中で内燃機屋として求められるのはあくまでも加工内容と加工精度。予算に合わせて加工方法を変え安く仕上げる。加工内容の変更ではなく加工方法ですから当然精度は同じにはなりません。エンジンを組み上げてからトラブルが出てしまうとそれこそウチみたいな小さな町工場は死活問題になりますから精度が出せる加工方法を選ばざるを得ないのです。それこそ何度も何度も試作を重ね来る日も来る日も毎晩1人で工場にこもり修理方法を模索しやっと自分が納得できる加工修理があったりもします。その為に犠牲にしている時間やヒトの事を考えると技術の安売りだけはしたくはありません。加工明細だけ見て高い!の一言で片付けるのは簡単ですけど修理屋を謳うなら内容で判断してもらいたいです。
1日置いて考えた結果、心苦しいですが悔しい思いしかなく最後の作業はこちらからキャンセルさせて頂く形を取らせてもらいました。何だか自分ばかり被害者面になってしまう内容ですが自分にも非はありますので。この経験をこれから活かして次に繋げれるよう努力していきます。
それでは自分が独断と偏見で作業進めましたブリーザーホール。
このくらい深いキズだとオーバーサイズでは対応できません。
鉄ボディのブリーザーギアを使用するとケースがアルミで出来ていますのでどうしてもケース側がキズついてしまいます。
硬度のある合金材料でスリーブを製作。
圧入後再度ボーリングして完成です。
圧入代やスリーブの寸法にもノウハウがあり、ただ突っ込めばいいというわけではありません。
割れやすい部分ですから。
1度アルゴンで埋めたカムホールはブッシュ製作圧入後カムカバーラインと合わせボーリング仕上げ。
市販されているブッシュは内径がデカ過ぎるためボーリングでは取りきれません。リーマーなら下穴に沿っていくため取りきれますがライン精度はボーリングには到底及ばず。皮肉ってガキの工作と呼んでいます。
少し見ずらいですがカムシャフト ブリーザーギアを取り付け回しています。
カムカバー取り付けノックピン基準完璧な位置出し。其れに合わせ専用に作った治具がなければこれはできません。