いつもお世話になっている業者さんが納品に寄ってくれました。
埼玉からですからね。フットワークの軽い社長さんです。自分も見習わないと。
工場でタコになっていても新しい出会いはありませんからねぇ。
今度はウチが行かないと。30出来たらそれで行くべ。
当初は車のエンジンをメインにやる予定でいましたが、いつの間にかオートバイのエンジンが集まって来てしまいましたね。うーん。分からないものです。まあ何にせよ、お仕事を頂けるというのは有難い事ですから1台1台キッチリ作業させて頂きます。
エンジン単体持込みオーバーホール作業。
腰上は分解されて持ち込まれたので腰下の分解から作業を進めます。
いつ見てもZ系は中身がシンプルですよね。
パッと見程度が良さそうでしたので先ずはオイルポンプ。
0.03mmのシクネスゲージが入りません。
ボディ側に傷はなく良好な状態と分かりました。
流用できるあの車種も廃番となってしまったのでオイルポンプが使えるだけでテンション上がります。
クランクシャフト。
合格クランクではないので曲がりは0.07mm。
1000系の中ではまずまずの当たり。
シバきあげる前にコンロッドスラスト量の確認。
1番から4番まで基準値下に入っていました。
続いてミッションを分解。
各ギア、ドク共に割れや欠け無しとこちらも良好。
ベアリング、スラストワッシャーは部品持込みですがブッシュ類は廃番ですから製作で対応します。
してメインシャフト。
曲がりを測定しています。
0.01mm以下で合格。
カウンターシャフト。
曲がり0.04mm。
残念ながら使用不可。部品供給は有りませんのでこちらは中古部品待ちとなります。
このMKIIは1度塗装に出しますので加工作業は塗装が上がって来てからとなります。
塗装はセラコートでいくので楽しみにしていて下さい。
あーそうそう。シリンダースタッドも抜き取っておきました。
ボルトを折らずに取るのが美徳ですから。(笑)
組立作業に取り掛かるのはまだ先になりそうですが、腰上まで組立てる予定でいますからこれから楽しみです。
腰上、腰下のみのオーバーホール作業も受付ています。気になる方はご連絡下さい。
ここのとこ車両持込みでのオーバーホール依頼が何件か重なり予約制にしました。
以前は持込みだと加工作業の仕事量次第で断っていましたが、断り続けるというのも心苦しい所でして、新人君も入ったし、Lメカとコンビでやっちゃうおっさん2人と新人君の3人で今年1年チャレンジしていこうという感じです。興味のある方はご連絡下さい。
CBX400Fのエンジンオーバーホール依頼。
エンジンブローしているので始動確認は出来ませんが、充電系統に不良がありそうなお話をちらっとお聞きしたのでエンジンを触る前に確認しておきます。
バッテリー→レギュレーター→ジェネレーターと確認していき、無事に犯人を確保。
ジェネレーターの抵抗値ですがマニュアルには載ってないのね。
ところでブラシは新品ででるかえ?
ココが割れてる車両ってソコソコ多いです。やりたくないけど溶接で何とかなる部分。
一応画像で残しておきます。
エンジンを分解していきます。
ブローした原因が何処かしらありますのでバルブタイミングを確認しておきます。
じぇじぇじぇ!
画像で判断できるのはピストン抱きつき位ですが、実際にコンロッドを縦方向に振ってみると焼き付いてる事が確認できます。
オイルパンには焼き付いたメタルが粉々に…。あこれ、ダメなヤツだわ。
よくメタルが焼き付いた事をメタルが流れると言うけど、正にそんな感じです。
クランクシャフトを摘出。
コンロッドピンジャーナルは一回り小さくなっていました。
焼き付いた子メタルは超薄々に。
ここまで逝くと結構前からいい音してたんじゃない?
焼き付いたコンロッド。
この状態でピストンが首振れません。
コンロッド、クランクシャフト、オイルポンプは部品供給がありませんから中古良品で探すしかないですね。
CBXは部品供給少ないし2コ1で組む位の覚悟ないと本当の意味でオーバーホールはキビシイです。
国産旧車全般に言える事は部品供給がある内に純正部品を買い漁る事です。
オークションで当時物パーツなんかに銭落としている時間は無いのだよ。
ショートスカートに肉抜きときたら、何故かワクワクします。
なんて事ないNA用の純正ピストンなんですよ。コレ。
ターボ用と比べ彼方此方寸法が違います。
ピストントップはほぼフラットでバルブリセスはありません。
コレがターボ用。
それで何をするか?と言うと、先程のNAピストンにこんな感じでバルブリセスを新規で切ります。
と簡単に書いてますが、コレ結構大変なんです。ヘッドから正確にバルブ挟み角やらバルブの位置なんかを寸法測定しないとね。あと、機械加工だとこういった加工はジグから製作です。チューエンジンに使用するピストンですから3つ全く同じ様に加工して、加工後の重量誤差もできるだけ抑えたいですから。
ジグが出来ても角度が付くと加工する原点が訳わかんなくなりますね。
cadで絵を描いて寸法出してますからいいトコにきてると思うけど。なんせ失敗出来ないので加工が終わるまでドキドキです。
完成〜。
使用するカムシャフトのリフト量と面研量からリセスの深さを設定しています。
なので見た目のインパクトはちと弱いですな。
仕事内容的にはかなり達成感あるんですけどね。
今月は溶接絡む仕事はやらねーよ!ってアレだけ言ったべ?
電話しながらながら作業してたのでついつい断るのを忘れてしまった案件をば。
クランクケースマウントぶっ欠け。
1度切り取ってからアルゴン盛り成形。
ケースマウント下面を機械加工で仕上げます。
孔ピッチは溶接前に測っておいた寸法に。
出来ればフレーム側の寸法を事前に計測してもらえると精神的に楽かな。
睨んでもらうと濃い部分と薄い部分があると思いますが薄い部分が肉盛り箇所です。
上側。
たかが座繰りですけど結構あれこれしないと上手く加工できません。
加工は数秒だけど。
あとはやっとみないと何とも言えないシリンダーか…。
だいぶ他の作業が詰まってるから当分先になるかな。
たまには動画も。